西端真矢

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速報!東博「きもの」展報道内覧会~きものコーデ付き 2020/06/29



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緊急事態宣言によって延期となっていた東京国立博物館の「きもの KIMONO」展。なし崩しに中止なってしまったらどうしよう‥‥と大変心配していましたが、無事、明日から開幕になります!

一日先駆けて、本日、報道内覧会が開かれました。本来なら、平成館で行われる大型展の内覧会ですから、宮様がお越しになり、館長や主任研究員の方の挨拶があり、軽食も振る舞われ‥と華やかなものとなるはずですが、コロナ第二波が警戒される今、セレモニーは一切なく、我々出席者も希望入場時間帯を申請してその時間を厳守しなければならないなど、密にならないための対策がなされていました。
明日の開幕後も、事前にインターネットからの入場予約が必要で、ふらっと行って楽しむことは、残念ながら出来ません。しかし、感染防止と文化活動の持続を両立するためには当然のことですよね。
*
それにしても、圧巻の展覧会です。
注目して頂きたいのは、「きもの展」と銘打っていますが、「小袖展」であるということ。
日本の服飾は、飛鳥から平安時代までは、中国服飾の真似事+その変化球の時代が続きました‥と私は思ています。だからなのか、実は、「十二単衣」や「衣冠束帯」の“源氏物語ファッション”はどうあまり好きになれません。

日本の風土に根差した衣服が主役となるのは、鎌倉時代から。現在のきものの原型である「小袖」が、それまでの下着扱いを脱し、表着として着られるようになります。
そして、本展も、始まりは「小袖」の時代から。
もしや、今回の企画陣頭指揮を執る工芸室長の小山弓弦葉さんも、私と同様「平安ファッションはちょっとねー」というお仲間なのかしら??と思いましたが、一月に「クロワッサン」誌の連載で取材した際訊ねてみると、そんなやわな理由ではありませんでした(‥ですよね)。
「実物が残っている時代から始めたかった」
「絵画資料だけじゃだめだと思う。やっぱり実物が見られないと、展覧会として面白くないから」
確かに!そして、ご自身もきものを頻繁に着られている小山さんならではの言葉に、本展への期待が高まったのでした。
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そんな本展。上の写真の左側に映っているのが、現存する最古の小袖です(東博蔵)。
室町時代中期、永正年間のもの(1510年代)。室町幕府十代将軍足利義稙が家臣に下賜した小袖とのことで、会場に足を踏み入れた第一番目の展示がこちら。もう、私のような服飾史好きからすると、この一枚だけで鼻血が出そうで、5分、10分と眺めてしまいます。ああ、全然前に進めません。
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こうしていきなり実物シャワーを強烈に浴びながら、第一室「モードの誕生」は、話題の大河ドラマ「麒麟がくる」のあの時代。信長や秀吉、帰蝶、寧、茶々(淀殿)が闊歩した安土桃山時代の本物の小袖やその裂が登場し、そして、その時代から日本社会に「流行」が生まれたことを解き明かしていきます。
        *
そう、本展の大きな特徴は、たとえば辻が花、たとえば唐織、たとえば友禅染、たとえば銘仙といった染織技法に焦点を当て過ぎるのではなく、それらの技法がいつ、どのように人々に欲望されたのか?に焦点を当てていること。
それはつまり、日本人がこの500年間、どんなスタイルをおしゃれだと思って来たのか?そしてそのおしゃれの感覚がどう移り変わって来たのか?ということ。つまりは日本人の「流行」の歴史を一気に通観出来るところに、最大の魅力があると感じました。
しかも、「東博さんにうちの子が華々しく飾られるのなら‥」と、全国の美術館のスターきものが大集合。これはやはり「東博力」と言うしかありません。
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荒々しい時代を反映して、明るく華やかな色使いを好んだ安土桃山時代。その反動なのか、やがて濃色好みへ。後ろ姿に凝る、皇后がファッションリーダー、丸囲み模様大流行、光琳クールデザイン、渋好み、豪商お嬢と花魁、どちらのきものが豪華?本当の大奥ファッションとは?男性は何を着ていたのか?その中には、信長、秀吉、家康のいわゆる戦国三英傑が実際に着ていたきものが一列に並ぶという、安土桃山好き(=私もです。てへ)にはたまらないコーナーも↓
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やがて迎えた開国。西洋の影響、モダニズムデザイン、そして現在‥‥
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ふだん、美術作品を見る時は、まず作品を自分の目で見つめ、つたなくてもオリジナルな感覚を養うこと。先に解説を読んではダメ!と思っていますが、本展に限っては「500年の流行」という観点から、まず図録の小山さんによる冒頭論文「きもの――日本人が着るもの」を読んで流れをつかんで臨むと、より面白くなるのでは?と感じました。
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この図録、東博のサイトからネット購入可能です。布張りのおしゃれで立派なもので、その分、かなり重い。持って帰るのは若干大変ということで、私のきもの仲間の皆さんのSNSを見ていると、既に購入している方も多いようです。この方法、お薦めです!
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↑そして、会場で、小山さんとお会いすることも出来ました。
河豚と茄子の模様の江戸小紋(小宮康正さん作)をお召しで、そのココロは、災い転じて福(フグ)と成す(ナス)!遅れても、見事に開催!の今日にぴったりの選択です。どうかたくさんの方が訪れ、きものが更にもっともっと愛される契機となりますように。
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↑そして、絹文化研究家の富澤輝実子さんともバッタリ。密ではない通路で、この時はマスクを外して記念撮影しました。
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今日の私のきものは、波濤模様の絽の訪問着。やや小豆色がかった紫の地の色が気に入っています。遠目には無地に見える白地の葡萄唐草文様の帯を合わせました。「道明」のシャーベットグリーン色の高麗組の帯締めで、わずかに華やぎを加えて。帯揚げにはオレンジやベージュの小さな飛び絞りの帯揚げを合わせていて、ここでもわずかに華やぎを加えました。そう言えばこちらは、富澤さんに以前頂いたものなのでした♡
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最後に、マスクは、広島の和裁工房「シルフィード」さんの夏マスク。
表地、裏地とも抗菌作用のある銀イオン糸を織り込んだ新素材で作られています。表地は、ちょっとちりめんにも似た品のある風合いに織り出されていて、きものにとても良く合います。裏地は羽二重のようにつるりと薄く織り出しているので、肌につかず呼吸が楽で、30度近かった今日も快適でした。下のURLで購入出来ます。
http://odaorimono.shop-pro.jp/?pid=151778920

それにしても、「きもの」展は、まだまだここに書き切れないくらいの切り口や、また、「流行」の理解を助けるための資料として、絵画作品や調度品類、映像展示も充実しており、まったく時間が足りませんでした。早速再び参観の予約を入れたいと思います。皆様もぜひ足をお運びください!

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クロワッサン誌「着物の時間」にて写真家でMIGO LABOオーナーの石黒美穂子さんを取材しました。 2020/06/09



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マガジンハウス「クロワッサン」誌での連載「着物の時間」にて、フォトグラファー、そして、すっきりと美しい生活雑貨のお店「MIGO LABO」オーナーの石黒美穂子さんを取材しました。
アンティーク着物がお好きな石黒さん。当日は、何と、ラスタカラー?!な単衣で登場。池田重子さんご存命の頃に「池田」で求めたもので、昭和初期のものでしょうと言われたそうです。その当時、アフリカ文化に共鳴した人が作った布なのか、偶然なのか。想像が膨らむのはアンティーク着物の楽しいところですね。
記事では、そんな石黒さんの着物との出会いから今までをお聞きしています。ぜひご一読ください。

*

今号の「クロワッサン」は、ストレッチと、そして「気象病」の特集です。
「気象病」は、今では大分公に認知されているでしょうか。気圧の変化によって誘発される頭痛、めまいなど様々な心身の不調を指します。
実は私もかなりの気象病患者。
毎年梅雨の頃には一日、二日、どうしても頭が上がらず、気がつくと床にごろりと寝て本を読んではうつらうつら、なんて日があります。「ああ、まただらだらと時を使ってしまった‥」と落ち込みがちなのですが、そんな気象病とつき合っていくためのコツをまとめた特集を、もう一つのストレッチ特集と併せて活用していけば、今年は何とかやり過ごせそう。
ぜひこちらもご高覧下さい!

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「美しいキモノ」夏号にて、「海外できものを着ること」について考える読み物特集を担当しました。 2020/06/04



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発売中の「美しいキモノ」夏号にて、10ページの読み物特集を担当しました。
テーマは、海外できものを着ること。
「きもので海外のススメ」と題してお送りしています。

新型コロナウイルス流行によって、現在、世界の国境は閉じられていますが、歴史の大きな流れの中では、グローバルな人の行き来は止まることはないでしょう。
その中で、日本人のアイデンティティの表現としてきものを着る、ということについて考えてみる。そんな特集です。実際に海外できものをお召しになっていらっしゃる四人の女性を訪ね、お話を伺いました。

それは、「ヨーロッパ旅行でオペラ観劇の一日、きものを着ました」という地点から、より前へ進んだ時に見える世界。
ビジネスや慈善活動のために日常的に国内外を行き来し、重要な社交の場面できものを選択する。そんなきものの未来の姿を先取りする四人は、ファッショニスタ、DJとして若い世代に絶大な人気を集めるマドモワゼル・ユリアさん、美術コレクター、プロデューサーの石鍋博子さん、インバウンドメディア企業副社長の東谷彰子さん、映像プロデューサーの木村元子さん。それぞれどのような経験や思いのもとにきものを選んでいるのか、を伺っています。

もちろん、きものはファッションであり、思想の表現のためだけに着る訳ではありません。精神とファッション、両軸にまたがるお話をお楽しみください。
特に石鍋さんのお話は、日本文化論へとつながる大変深いもので、私もとても感銘を受け、よりきものが愛おしくもなりました。
ぜひご高覧頂ければ幸いです。

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