西端真矢

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婦人画報ウェブにて、武者小路千家家元後嗣 千宗屋さんの新連載「四季の間の折節」の取材執筆を担当しました。 2020/11/26



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新しいお仕事のご報告です。
婦人画報ウェブ版にて、今月より始まった新連載「四季の間の折節--千宗屋しつらえ12か月」。武者小路千家家元後嗣である千宗屋さんが手がける広間の室礼を、毎月ご紹介していくものです。

その舞台となるのは、今月、二条城前に開業した「HOTEL THE MITSUI KYOTO」。かつて二百年以上三井家の総領家があった地に誕生した、最高峰のラグジュアリーホテルです。
このホテルの中庭に建つのが、迎賓館「四季の間」。ありし日の三井のお屋敷の広間を再現したもので、月々の室礼を千さんが手掛けられます。私、西端は、その一つ一つの室礼に千さんがどのような趣向を込められているのかをお知らせする、さながら書記のお役目。余情あふれる森山雅智さんの写真とともにお届けします。

千さんは茶人でいらっしゃいますから、時々の茶事の趣旨にふさわしく茶室をしつらえるのは日常のこと。しかし、今回の広間は書院造りであり、数寄の茶室とは趣が異なります。そこを、どうしつらわれるのか?
ふだんとは一味違った千さんのひらめきと心配りとを奥深くお伝え出来るよう、私も一生懸命勉強して臨んでいます。大役に武者震いが致しますが、どうぞ皆さまお楽しみにお読みください。
さてさて、始まりの霜月の室礼は、どのようなものだったのでしょうか?――どこかから、鈴の音が聞こえて来るようですよ‥

「四季の間の折節」第一回「二条油小路の寿老人」は下記URLよりご覧ください↓
https://www.fujingaho.jp/lifestyle/tea-flower/a34431296/sen-sooku-shikinoma-siturae-201124/

一日一日 2020/11/17



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この二週間ほど、とても難しい、大きな仕事が重なって緊張が続き、一段落したらほっとして廃人になってしまった。
やっとこちら側に戻って来て、まずはきものでリハビリを、などと称して最近父の知り合いの方がまとまって譲ってくださった手の込んだきものや帯の中でも特に好みの何枚かを広げてうっとりと眺めていると(写真の緑地の帯と絞りのきもの、濃い紫地にぽつぽつと模様が散ったきもの)、ふと、母が以前購入して、なかなか素敵なのだけれど手持ちのきものに合うものがなかった帯と、よく合いそうだと気づきほくほくしたりする。

庭を見れば、いつの間にかツワブキが強い黄色の花をあちこちで開いていて、我が家にやって来る野良猫の中でもご飯くださーい!ご飯くださーい!と鳴く声が歴代最高にギャーギャーうるさく“ギャー子”と名づけた灰色の猫がうとうととまるで我が家の猫ですという風情で日向ぼっこをしている。肩をすくめて部屋に戻ると正真正銘の我が家の猫チャミも私のベッドの日差しの領分で昼寝をしていて、私が近づいて声をかけてもすぐまた目を閉じてしまうのだった。

世間ではコロナウイルスが三度目の流行に入り、でも、肺がん持ちの母を家に抱える私は仕事の打ち合わせと取材、書の稽古、日々の買い物。あとはたまに美術館に行くぐらいでそもそもほとんど出かけていないから、生活はこの十か月間と何も変わらない。
その母は、認知症が進んで一緒に語り合える思い出は波に侵食されてやがて消えてゆくて小さな島のように日々その土地を失ってゆき、そして、精密検査によればがんは確実に体中に散らばりを見せている。命の尽きる日もそう遠くないことを思い知らされる。
それでも、一日一日を、ただ生きている。私も、母も。ツワブキに蝶がとまり庭の上の空を太陽がゆっくりと動いてゆく。