西端真矢

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新しく草履を誂えて、そして「履物の好み」について考える(きものコーデ付き) 2018/08/29



先週、草履を新調した。
きもののおしゃれの中で、どうしても履物は後回しにされがちだが、実は着姿の方向を決める大きな要素ではないかと感じている。今日はそんな履物の好みについて、少し考えてみたい。
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何はともあれ、まずは、今回新調した草履について。
今回は、ふだんの外出からちょっといいところでの食事、くらいまでのシチュエーションで履くための、いわゆる“ふだん履き”と呼ばれる草履を新調した。きものの格で言えば、小紋やカジュアル過ぎない紬から、付下げ、しゃれ訪問着まで。お店は、浅草の「辻屋本店」さんで。
じゃーん、お店にて、箱から出て来たところが下の写真だ。鼻緒にかけられた、「江戸風はきもの處 辻屋本店」の店名入りの美しい上紙を取ると‥‥
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今回は、白地の台に同じ白地の革鼻緒で誂えた。前坪の色は、臙脂色。前坪は台や鼻緒と同色がいいという方もいるだろうし、色の前坪にする場合、特に白台×白鼻緒の純白の世界にぽつっと一つ、赤の前坪を入れる方が多いと思うが、私にはどうも赤は強過ぎるように感じられてしまう。それで、臙脂色。このあたりが、まず一つ、好みが大きく出て来るところだろう。
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台は、細型が好みだ。そして、低い台が好き。
一番好きなのが4センチ~4.5センチの台で、3センチくらいでもいい。高いよりは低い台の方がずっと好ましい。一般に、礼装の履物は5センチ以上が良いとされているが、私はそのぎりぎりの5センチで作っている。とにかく高い草履は履きたくないのだ。
もう、これは、完全に好みの世界だと思う。
高い台が好き!高い台じゃなきゃイヤ!低い台は何か貧乏くさい!という方もとても多いし、むしろ今は“高台派(笑)”の方が若干優勢のようにも感じるが、私には、どうも高い台はにぎにぎし過ぎるように思えてしまう。また、子どもっぽいようにも感じる。台にあまりたくさんの段が重なっているのも好みではない。もちろん、すべて、個人的な感覚だ。
           
そんな訳で、今回も“低台派”の私は4センチの台でお願いした。要するに、このくらいの高さが、一番すっきりとしてイキに感じられるのだ。ふだん用なので、段も入れず、一巻きで更にすっきりと。うん、気分が良い。
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次に問題になるのは、台の色だろう。実はもう二足ふだん履きを持っていて、一つは濃いめの銀鼠色の台、もう一つは淡い桜色にしている。
桜色の一足は、甘い色みのきものに合わせる時用に。銀鼠色は、黒や藍色系のきものや、江戸小紋などきりっとしたきものに合わせる用に。今回新調した白の台はほぼ万能選手だけれど、私はきりっと系は銀鼠くんに任せることが多いので、甘い色系統からベージュ系統ほか、その他諸々の色、また、総柄小紋などに持って来るようにしている。
下の写真は、当日お店で、女将の里枝さんと撮ったもの。ついでに帯周り写真も載せつつ、足もとに注目!
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…と書いておきながら、実は足元が写っていない。先代の白台ちゃんがあまりにもぼろぼろで今回の草履を新調したため、この日は銀鼠くんを履いて来た。私的には、淡いベージュ色のきもの×淡い紫の帯、の今日のコーディネイトには、銀鼠くんは合わない!だから写したくない!そのため、見切れているのであります。そう、履物ときものにはしっかりと相性というものがあるはずなのだ。
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ところで、もう一つ、草履には鼻緒という大切な要素があるが、もちろん忘れている訳ではない。
これまでに鼻緒もあれこれ試してみたが、今では革鼻緒が一番、と思うようになった。ベージュの台×白鼻緒など、台と鼻緒の色が違うのも良いし、今回のように同色も良い。とにかく革鼻緒が好ましく感じられる。前坪の素材も、本天(ビロード)ではなく革製が好みだ。
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結局私は、とにかく足元をすっきりとさせたいのだと思う。ビロードや帯地を使用したもの、印伝製など、鼻緒にもたくさんの種類があるが、革製以外のものは中に綿を詰めて作っているため、ふっくらとする,、その形状が、どうもボリュームがあり過ぎるように感じてしまうのだ。
もしも私の好みと真反対に草履を作るとすれば、「小判型の台(=やや横幅がある台)に、帯地の鼻緒」の一足が出来上がると思うが、その姿が目に浮かんで来る。ちょっとぽってりとした女らしさをたたえた様子は、もちろんそれはそれで一つの確固とした世界観だし、そういう草履を履きたいという人がよくいるのもとてもよく理解出来る。
でも、私は、とにかくすっきり型がいい。それはもしかしたら私が小柄のやせ体型だということとも関係があるのかも知れないが、とにかく、細台に、革鼻緒。そして高さは4センチほどで。ふだん履きなら前坪だけにぽつっと色を入れるのが、シンプル過ぎなくて良い。シンプル過ぎるスタイルというのも、貧相と言うのか、それはそれで野暮に思えるのだ。
…と、こうして改めて我が身、いや、我が足もとを見つめてみると、思った以上に好みが色濃く表れて来るものだと思う。さて、あなたはどんな足もとで歩いているだろうか?


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