西端真矢

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最終回~~「四季の間の折節 千宗屋のしつらえ12か月」10月の回が更新されました。 2022/10/24



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「婦人画報デジタル」にてまる二年間続いて来ました「四季の間の折節 千宗屋のしつらえ12か月」、今月で最終回を迎えます。
もともと一年の予定で始まった連載でしたが、好評につき一年間延長し、しつらえの多様なあり方を更にお伝えすることが出来たのではないかと思っています。

  *

振り返れば私にとって、この連載は仕事であると同時に学びの場、そして一種の修業の場でもありました。
何しろ千さんの該博過ぎるご知識に、毎回息を上げながらやっとやっとついて行く。しかもチームのメンバーが優秀過ぎるのです。
私は中学時代陸上部の短距離走の選手でしたので、リレーでたとえてみたいと思いますが、まず、千さんという鬼監督がいて、選手に発破をかける。チームマネージャーは何と「婦人画報」編集長その人、西原さんという優秀過ぎる人物で、段取りが悪いから~などという言い訳は一切出来ない布陣です。

毎月、鬼監督の設定目標を受けて、第一走者の松本松栄堂・松本さんがほほう、というお軸の候補を出して来る。それを受けた第二走者、古美術 森澤の森澤さんが、そう来たか!という花入の候補を提出。千監督の采配により最終決定した軸と花入に、第三走者、間下さんがこれまた一ひねりある花、或いはぐっと情緒ある花を生けられる。
アンカーとしてフィールドに立つ私はこのレース展開に高揚する反面、だんだん不安がつのるのです。
やばいよやばいよ、一走、二走、三走、トップじゃない。私で抜かれたらどうするのよ。一から三走まではさ、四位くらいでいいのよ。次の四走で二人くらい抜いてもらって、最後私が二人抜く、みたいな、そういうかんじで行きたいのよ‥‥
ところがこれまた四走のフォトグラファー森山さんが、更なる爆弾級情緒プラスで大独走を加え、嬉しいけれどこれで抜かれたら私の立場は‥‥?

という、本当に、久々に、中学時代のあの心臓がぎりっとするフィールドの風を思い出した二年間だったのでした。
毎月毎月のプレッシャーは相当なものでしたが、今となれば、良いチームで仕事を出来たことをありがたく、また、誇りに思います。そして、以前よりは少し深くしつらえの匙加減や見どころに目が向くようになっていることを感じます。これは、二年間通しで読んでくださった読者の皆様も同様ではないかと確信しています。

そんな最終回、床の間には秋の「香り」をただよわすお軸がかかります。そして千さんによる二年間の総括も。ぜひご高覧ください。これまでご愛読くださった皆様、誠にありがとうございました。
https://www.fujingaho.jp/lifestyle/tea-flower/a41631614/sen-sooku-shikinoma-siturae-221020/