西端真矢

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新しくなった「染織工芸 むら田」へ【きものコーデ付き】 2023/04/26



「銀座 むら田」として長年親しまれて来た「むら田」さんが渋谷に移転され、「染織工芸むら田」として新装開店されました。
「美しいキモノ」での連載「美の在り処」で長期にわたり取材をさせて頂き、すっかり店主あき子さんのファンになった私。先週、内見会のご案内を頂き、早速ご挨拶に伺いました。
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上の写真は、新店舗の前であき子さんと。嬉しくて満面笑顔になっている私と、この日は抽象画を思わせる柄行きの素敵な帯を締めていらしたあき子さん。
むら田さんはきものや帯にとどまらず、世界各地の染織品のコレクションでも知られるお店。銀座より広くなった新店舗では、常時そのコレクションを展示するとのことで、現在は、季節にちなみ、筒描き友禅で鯉を描いたのぼりが店内と入口に展示されています。
上の写真で、私の横に掛かっているものがそれ。幕末か明治初期頃の作とのことで、当時、大店などの店先に、鯉のぼりと同じ意識で掛けたのだろうということでした。
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店内の様子も何枚か撮影しましたのでご覧ください。時代物の箪笥や棚がそこここに配され、新しい内装なのですが、とても落ち着ける空間でした。
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上の写真、和室の小間の奥に掛かっているのは、もう一枚の鯉の筒描きのぼり。手前に掛かっているのは、ブータンの時代裂です。
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お店の入口床には、あき子さんのお父様であるモザイク作家板谷梅樹氏の作品が。店内では他にも板谷梅樹の作品を見ることが出来ます。
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上の写真、右側に、ちらりと窓が映っているのがお分かりいただけるでしょうか。その向こうに坪庭があり、緑と外光を楽しめるのが、新しいむら田の銀座時代とはまた違ったチャームポイントです。今はまだ植栽を進行中。これからどんなお庭になって行くのか、とても楽しみです。
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私のきものは、亀甲絣の白大島。この日はとても暑い日だったので、迷わず、大島!でした。
合わせた帯は、父方の祖母の家の押し入れから出て来た、型染の紬の反物を仕立てた名古屋帯。父方の祖母は超真面目で質素、およそおしゃれとは無縁な人だったので、華やかな反物が出て来て驚いたものです。
もしかしたら、型染をしていた母方の方の祖母がプレゼントしたものかなとも思うのですが、娘の嫁ぎ先に贈るとしたら、もっと古典的な柄を染めただろうと思われ、謎に包まれた帯となっています。四角四面、謹厳実直、質素倹約な父方祖母が、実はこっそりと華やか反物を買って眺めていた可能性も???いや、ないな‥‥。
とにかくなかなかかわいらしい帯なのでしめしめと仕立て、この日、初下ろししました。帯揚げは道明の万能色、練り色の冠組ですっきりと。
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この日はむら田さんで素敵な小物との出会いもありました。
上の写真、ソメイヨシノで染めたというストール。ちょうど長年愛用していたきもの用のストールが盛大に虫に食われ、泣く泣く廃棄したところだったので、飛びついて購入致しました。
他にも水色や玉子色もあって大変迷いましたが、あき子さんのお見立てで、こちらに。草木染ならではの優しく透明感のある色を、何度も嬉しく眺めています。
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そしてそして、何と、先日の原稿の記念に、と、あき子さんから帯揚げを頂いてしまいました。
あき子さんはお店のお休みの日などに折々草木染をされていて、こちらも、手ずからによるザクロの下染め+ログウッド染めによる板締めの一枚です。やはり草木染ならではの優しい黄色と灰色、緑の部分もあり、どこか抽象画を見ているようで。着姿の画竜点睛となりそうな、そして、何よりあき子さんの手によるものだということが、本当に本当に嬉しいのです。

‥‥と、そんな、新しい「染織工芸 むら田」の住所は、渋谷区東4-12-29。渋谷と恵比寿のちょうど中間地点ほど、國學院大學の裏手に位置します。
私は、行きは渋谷からタクシー(約7、8分)で、帰りはバスに乗ってみました(10分ほど)。都心とは思えないほど静かな住宅街の中にある、染めと織りの宝石箱のようなお店です。皆様もぜひ訪ねてみてください。