西端真矢

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紬の単衣小紋で、吉祥寺散歩♪ 2016/09/29



昨日から、一年ぶりに、「抱えている〆切がない」毎日に突入しました。夜はいつも原稿を書いていたので、どう過ごしたらいいのか分からない!
‥と、定年退職後も毎日背広を着て家を出てしまうおじさんのような心理状態ですが、とにかくこの一年ほど友人と会うことが極端に少なかったので、いそいそとお出かけお喋りの約束を詰め込んでいます♪
今日はその一人、イラストレーターの岡田知子さん――私は知子姉様と呼んでいます――と、地元・吉祥寺お散歩へ。もちろんきもので出掛けました。
        *
吉祥寺の大きな特長は、駅から少し離れた道々に雑貨屋店が点在していることではないかと思います。私もいくつも好きな雑貨屋さんがあり、今日はその中の一軒、陶器・ガラス器・生活雑貨のお店「MARKUS」へ。中道通りを途中で北へ曲がる細い通りにあります(カレーの「豆蔵」の通りです。ホームページはこちらから… http://marku-s.net/
実はお目当ての品があり、その子たちを前にして、顔がにやけてしまいました↓
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そう、埴輪のレプリカなのです!実は私、埴輪が大大大好きで、博物館に展示があると、そのコーナーの前をもう一時間くらい動けなくなってしまうほど。このレプリカは、埴輪の本場・群馬にも近い益子の窯元で作られたもので、現物の雰囲気を非常に良く伝えていると思います。あー嬉しい♪
一方の知子姉様は、沖縄の作家さんのご飯茶碗を前に、どの子をお持ち帰りするかで迷い中↓
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実は沖縄陶器が大好きなのだそう。やはりこの店へお連れして良かった!
店内には他にも素敵な器が並んでいます。本当に大好きなお店です↓
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その後は南口へ移動し、coromo-cha-yaでお茶&爆裂女子トークを。紅茶とチョコレートのババロア、美味し過ぎました…
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↑今日の私のきものは、祖母作、紬地に型染した単衣小紋。帯は、米沢「近賢織物」の紙布帯。締めていて軽く、見た目もすっきりとした紙布帯は、今の季節に締めるのにピッタリかなと思います。
帯〆は、和裁の松井扶江先生に頂いた、笹浪組の伊賀組紐。帯揚げは、帯に埋もれてしまってほとんど見えていませんが、灰色がかかった水色地に、絞りで紅葉の葉の柄を入れた一枚を締めていました。
知子姉様、また吉祥寺に遊びに来て下さいね♪


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銀座もとじに蚕3千頭がやって来た!+伊達政宗展+歌舞伎座な一日 2016/09/23



雑誌のお仕事を一本校了、一本入稿して天下泰平なこの頃。一昨日は、日本橋と銀座で3カ所を回って休日を満喫しました。もちろんきもので出掛けます。
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1カ所目は、日本橋の三井記念美術館。開催中の「瑞巌寺と伊達政宗展」を見に伺いました。
目的は、有名な伊達政宗の甲冑と、服飾史的に貴重な江戸初期の帯だったのですが、瑞巌寺の本堂を飾っている江戸初期の「松孔雀図」の襖絵(15メートルくらいある大きなものです)に、激しく心を奪われました。
その他にも、33年に一度しか開帳されない秘仏の不動明王像が特別に出品されていたり、お寺の壁から取り外して来たのでしょう、欄間をずらっとそのまま持って来ていて驚かされる、江戸時代のその欄間の彫り師の技術がまた超絶にすごかったり。そして、伊達政宗が、字も上手ければ絵もこなし和歌がまたとてつもなく素晴らしい‥と、本当に何でも出来る英雄だったのだなと感動したりしていると1時間半ほどかかり、すっかり疲れてしまったので付属のカフェに入りました。
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↑この展覧会期間中、「政宗デザートセット」なるものがあるそうなので、早速注文。
政宗の有名な弦月の兜を模したアイスクリーム、伊達巻のロールケーキ(伊達巻は政宗がこうぶつだったためこの名がついたそうです)、そして、政宗が開発したとされるずんだ餅も、もちろん!
三井記念美術館に限らず、最近はどこの美術館・博物館も、展示内容とからめてこういった趣向をこらしていて素晴らしいなと思います。作品を見るだけではなく、美術館へ出掛けることが楽しくなるというものですよね。
         *
そして2軒目に伺ったのは、銀座四丁目の、「銀座もとじ 大島紬」。
最近、雑誌のお仕事でもとじさんのある活動を採り上げた際に、プレスの方とやり取りをしていたのですが、「今、店にそのまま蚕の飼育場を移動したイベントをやっているんですよ」とご紹介を頂き、それはすごい、ぜひ見たい!と伺ったのでした。
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↑そう、この四丁目の松屋の2本後ろにあるもとじの大島紬専門店を一店丸々蚕室にしてしまう、という驚異のイベントです。
店内に入ると、このように、ふだん商品を並べたりお会計をしたりする什器に蚕がびっしりと‥!↓
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近づいてみると、ほとんどの蚕たちは元気いっぱいに桑の葉を食べています。しゃりしゃりしゃりしゃりと、葉を食む音が聞こえて来て、「ここは本当に銀座?」と不思議な感覚におそわれました。中には寝ているのか、首を少しもたげたまま固まっている子も(写真から探してみて下さい)。いくら見ていても飽きません。
蚕はおよそ2週間ほどで一齢から五齢へと脱皮を繰り返しますが、現在は五齢の段階。今週末には糸――つまり「絹糸」ですね――を吐いて、繭になります。今、幼虫として最大に大きくなった状態のお蚕さんが見られる期間となります。
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↑「虫が怖くなければ、持ってみてもいいんですよ」とのことで、全く虫類が平気な私はつまませてもらいました。五齢のお蚕さんは、丸々と柔らかく、もっちりとした感触です。とてもかわいい!
この後、蚕たちは「上蔟(じょうぞく)」と言いますが、「マブシ」という枠の中に入り、繭を作り始めます。「銀座もとじ」二代目の泉二啓太さんが、マブシを見せて下さいました↓
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蚕には上へ上へ上ろうとする性質があり、糸を吐く頃にこのマブシを上らせて移動させます。一つ一つの枠の中に蚕が一頭ずつ入り、糸を吐いて繭を作る‥その姿もぜひ見てみたいですね。
しかし、この後、蚕たちは天に召されます。上蔟から10日ほど経った頃が、糸を取るのに最適の時期。繭の中で眠っている間にぐつぐつとお湯に煮られて、訳も分からぬまま死んでゆくことになります。
いつの頃からなのでしょうか、日本では、蚕を「お蚕さん」と呼び、各地に蚕を祭る神社やお寺、絵馬があるのも、こうして蚕の命と引き換えに美しい絹糸を頂いていることを、昔の人々が感謝していたからなのでしょう。実際に蚕がもぞもぞと動いている姿を見ると、その思いが身体に染みて分かって来る思いがしました。
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↑店内にはこのようなパネルの展示が幾つかあり、養蚕の歴史や仕組みを学べるようになっています。更に、抽選プレゼント付きの蚕クイズが催されており、パネルを見ながら、「例えば、「蚕の数え方は、匹、頭、羽、個のどれでしょう?」といった蚕の基本知識を学んで、答えを記入し、投票する仕組みです(参加は自由)。
プレゼントの商品は、何と、この蚕から取れる絹糸で織った白生地。きもの好きならガゼンやる気が出るというものですね。ただ何となく蚕を見て帰るのではなく、しっかりとその仕組みを知ってほしい、という、もとじさんの熱い想いが伝わって来ます。10月2日には、繭から糸を取る「座繰り」のイベントも開催されるそうです。
そもそもとてつもなく家賃の高い銀座の地で、2週間あまり、店をまるまるつぶして蚕室にしてしまう。その間収益がなくなる訳ですから、この企画は、商売人にとって狂気の沙汰とも言えるものだと思います。蚕への熱い想いなくして実行される訳がないですよね。
「きものの原料である絹糸が、どうやって生まれて来るのかを実際に目で見て、触れてほしい。百人、二百人の方が見てくれれば、その中から一人くらいは、絹やきものに興味を持ってくれる人が現れる。それでいいと思っています」
啓太さんはそう語って下さいました。ふらっと入って来たお客さんに店員がハイエナのように群がり、ぐるぐると反物を体に巻いて「似合うわよ」「ローンで買えば大丈夫」と売りつける‥きもの嫌いを増やす要因の一つと言われている、一部きもの店の「その時売れればいい商法」とは真逆にある考え方に、大きな共感をおぼえました。
今回、店で育てているのは、約3千頭ほどの蚕。ちょうどきもの一反分を養う蚕の数です。今、私たちが着るきものの多くは、海外から輸入した絹糸によって織られたもの。その中で、今回のイベントで飼育されている蚕は、純国産の「プラチナボーイ」という品種。そう、この試みは、日本の蚕を守る一環でもあるのです。
最後に、泉二啓太さんと↓
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↑そして、啓太さんの横にいらっしゃるのが、九月に入社したとたんこのイベントの担当になったという、新人の池田さん。毎日糞の掃除をしたり、桑の葉を入れたり、と大奮闘中。「まだ反物にほとんど触っていません」とのことでしたが笑、頑張って…!
その池田さんも啓太さんも、家に帰っても白く細長いものがみんな蚕に見えて来るそう。世知辛い世の中で熱く攻めている「銀座もとじ 大島紬」店内で、うごめく蚕の様子を見られるのは、明後日25日まで。繭になってしまう前に、皆さんぜひお運びください。そして、先ほども申し上げた通り、10月2日には、繭から糸を取る座繰り体験も。こちらも、ぜひ!
銀座もとじの今回のイベント詳細は、こちらからどうぞ↓
http://www.motoji.co.jp/news/detail1803.htm

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さて、もとじさんを後にして、最後に向かったのは、歌舞伎座。夜の部四幕目の「元禄花見踊」を、幕見で見に出掛けました。
実はこの幕の長唄連中に、友人の末席の末席の末席に加えて頂いている杵屋巳津也さんが出演されています。「玉三郎さんの後ろで唄うなんてぜひ聴きたい!」と出掛けたのでした。前日夕方まで校了出来るかが分からなかったため、予約が出来ず、幕見の遠い席になってしまいましたが‥、朗々たる歌声と華やかな踊り。服飾史の資料としていつも虫眼鏡を使い食い入るように見ている元禄時代の花見の絵(の図録)があるのですが、その世界がそのまま目の前に立ち上って来た、楽しい時間でした。
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↑終演後、楽屋口で巳津也さんと。
来月・再来月は海老蔵さんの公演で東京を離れ、各地を回られるそうです。皆さん、長唄連中にもぜひご注目くださいね。
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最後に昨日のきものは‥↓
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細かい横縞の大島の単衣に、祖母が染めた蟹牡丹唐草柄の帯。先週のブログでも同じきものを着ていましたが、あの時はまだ紗の帯。秋に一歩近づいて、今週は塩瀬を締めています。帯揚げには淡いピンク色を入れて。
足元はこちら↓
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この日はカレンブロッソを履いています。バッグは洋装のバッグ。このところ、資料やらノートやらICリコーダーやらをごっそり詰め込んだ大型バッグばかり持ち歩いていたので、小さめのバッグを持つのが新鮮でした♡
これからしばらくは、そこまで忙しくないスケジュールで動いて行けそう。7月から9月まで、あまりにも忙し過ぎてどうやって生きて来たのか記憶がぼーっとしてしまっているくらいなので、秋は少しリラックスして過ごしたいと思います!

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きものサローネ開幕! 2016/09/17



毎年秋、日本橋を賑わす「きものサローネ」が開幕しました。
今年は前期と後期、2回に分けて開催。前期はこの3連休の17・18・19日。後期は来月10月28・29・30日。前期の今回は、YUITOビルで、全国から70店以上のきもの・和装小物店が集うきものカーニバル。たくさんの方でにぎわっていました。
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会場にはステージもあり、トークショーや日本舞踊・三味線のショーも。中でも3日間にわたりトークショーを行う、人気着付け師の吉澤暁子さんとパチリ↓
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トークショーは既に3日とも完売のようなのですが、ブースもお持ちで詰めていらっしゃるので、気軽に話しかけてみてください。
そのお隣りでは、和裁士の東郷和美さんがきものの仕立ての実演を行っています。皆さん興味津々でご覧くださいね↓
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↓こちらの三人は、「深川おどり 丸まげ髪結い処」の皆さん。
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去年も大人気でしたが、今年も出展。短い時間で丸髷に結ってもらえるんですよ。楽しそうですねー!17・18日にはステージで、その実演と民謡・新日本舞踊のショーもあります♪

雑誌「美しいキモノ」の表紙なり切りボードも↓
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皆さんもぜひトライください。

今年も開催「京の名工展」↓
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300万円や500万円の逸品訪問着がずらり。やはり最上の技術に目を慣らすことって重要です。「どうせ買えないもーん」なんて、そういうケチな根性は視野をせばめるというもの。こういう機会こそどんどん活用して絶対見ておくべき。私は綜絖師のおじさまとお話しして学ぶところがありました。なかなかこういった技術者の方と直にお話しする機会もないですから、皆様もどんどん話しかけてみてくださいね。

通路には「80体コーデ」がずらり。投票も行われています↓
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その他に、様々なアイディアで和装下着に新風を巻き起こす「たかはしきもの工房」の特設ブースや、おいしい抹茶プリンやロールケーキのカフェも。まだまだ書き切れないくらい盛りだくさんの内容の「きものサローネ・きものカーニバル」に、ぜひお運びください!

おまけに、今日の私のコーデは、ごく細い横縞模様の大島の単衣に、紗の洒落袋帯。ぽつぽつと七色の絞りが顔を出す帯揚げを入れて↓
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実はまだ半衿は絽です。忙し過ぎて替えている時間がなく…でも、今日も相当暑かったので、もう一週間くらいは全然大丈夫かなという気もします。実は襦袢も麻でした。会場でも、皆さん、夏秋混合の装い。それを眺めているのもとても面白かったのでした‥!

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「出雲織一門展」、行って来ました(於・外苑前「イトノサキ」) 2016/09/15



入&稿と校&正の合間を縫って、どうしても見ておきたかった「出雲一門」展に行って来ました。
場所は、外苑前の「イトノサキ」。
「出雲一門」とは、出雲織の青戸柚美江さんとそのお弟子さんのこと。出雲織りも青戸さんのお名前も聞いたことはあるものの、どんな織りなのか分かっておらず、知りたかったこと。また、秋から冬にかけて、出雲や松江に関するお仕事をする予定があり、何かヒントがないかと訪ねたかったのでした。
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上の写真中、壁にかかっているのが、青戸柚美江さんの作品。そのすぐ下に、息子さん、お嫁さん、お孫さんの作品。その手前からお弟子さんの作品になります。

他にも、こんな作品たちが↓
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「イトノサキ」オーナーの畔蒜さんに、「出雲織って何が特徴なんですか?」お聞きしたところ、「特徴がないのが特徴と言われているんです」とのお答えが。
例えば弓浜絣などのように地域独特の柄もなく、製法が他の綿紬織り地域と変わっている訳でもない。ただ、江戸時代より出雲地方ではどこの家でも綿を育て、紬を織った。戦後途絶えていたその昔ながらの「手紬、手織り、藍染」の製法を青戸さんが復活し、作風に惹かれた人々が全国から集まって教えを請うことになった。それが、出雲一門なのだそうです。
36年間、集まって来た人々に教え続け(一人につき教える期間は2年間だそう)、卒業生は100人ほど。その中かからの21人と、青戸さんご一家の作とを、今回の展示で見ることが出来ます。(もちろん購入することも)
出雲織に決まった形式がない分、お弟子さんたちの作風も千差万別。出雲から倉敷に渡って六枚綜絖(!)の技術を身につけ、紬織りをされている方もいるし、絹や紙布で織る方向に進んだ方もいます
。様々な作風を楽しめるこの展示は、18日まで開催中。ぜひ足をお運びください。
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↑おまけプレゼントは、今日も素敵な畔蒜さんのきもの姿。
単衣のきものは、結城交織。結城に強撚の綿糸が織り込まれ、シボが立った独特の風合いが素敵でした。まだ暑さ残る季節に着るのに最適とお見受けします。結城の無地の八寸帯に、三井寺の帯〆(和小物さくら。koma玖さんで購入したそうです)。くー、いきなお姿ですね。
もう一度アナウンス。「出雲一門展」は18日まで開催。ぜひお運びください!


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吉祥寺、秋のお祭の準備 2016/09/09



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都心での取材を終え、夕方、地元吉祥寺に帰って来たら、明日から始まる秋のお祭のお神輿の準備がたけなわを迎えていました。
この場所は、吉祥寺の守り神、武蔵野八幡宮(八幡様)前の駐車場。新興住宅街と思われがちな吉祥寺ですが、土地の歴史は古く、八幡様は平安時代からのご由緒。徳川将軍が鷹狩りに来た際は、ちょうどこの八幡様と駐車場の間の道を、南に折れたと伝えられています。
明日、明後日のお祭り期間中、私は差し迫った〆切のため家に缶詰が確定しているのですが、夕飯の材料でも買いものがてら、少しだけお祭を覗いてみようとたくらんでいます。


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「婦人画報」にて、「向田邦子さんの海苔弁当」記事、取材・執筆しました 2016/09/05



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小説家にして脚本家、そして稀代の名随筆家だった向田邦子さん。作品を読んでいると、達意の文章とはこういうことかと唸らされますが、その向田邦子さんに関わる記事を取材・執筆致しました。
発売中の『婦人画報』10月号、第一特集は「夢のお弁当」。我々日本人にとっては当たり前のものであるお弁当が、今、OBENTOとして世界に注目を集めていることはご存知の方も多いかと思います。今回の特集ではそのお弁当を様々な切り口から見つめていますが、その中で、向田邦子さんが愛した定番の海苔弁当の味を、妹である和子さんに再現して頂きました。
詳しくは記事を読んで頂きたいのですが、このお弁当、実にシンプルなレシピで作られています。ページ中ではそのレシピもご紹介するとともに、何故邦子さんがこの味を愛し、人気作家として多忙な日々の中、どのような時に作り、味わっていたのか、和子さんにお話を伺っています。ぜひご高覧頂けましたら幸いです。

今回取材で初めてお会いした向田和子さんは、何と言うのでしょう、例えて言えば大福もちのように、まあるい柔らかいお人柄の方でした。けれどお話ししていると、すっと鋭い観察の目が、それも上等の包丁でお肉でも切る時のように、真っすぐに差し出されて来るのです。
和子さんは、料理好きの食いしん坊だった邦子さんとともに、小料理屋「ままや」を経営していた、向田家四兄妹の中でも最邦子さんに近かった方。
このような方が「お姉ちゃん」「お姉ちゃん」と心から慕った邦子さんとは、どれほど聡明な女性だったのだろうかとしのばれました。
邦子さんの作品や、邦子さんとの思い出を綴った和子さんのエッセイとともに、ぜひご高覧下さい。


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「千家十職展」とウエストのケーキ~取材と取材の間の過ごし方 2016/09/02



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今日は1時から銀座某所でロケハン、その後時間がずいぶん空いて、6時から同じ銀座で取材。
間の時間に日本橋へ移動して、三越で、人にもみくちゃにされながら「千家十職展」を見る。
私は、お茶は、お点前より道具が楽しい方なので、もみくちゃに耐えながら、やはり楽しい。今回初めて見た作品にこの子好きー!(例えば七代長入の赤楽など)というものが多々あり、大満足。
会場を出てすぐの催事場では、道明さんが出店されていた。二人の番頭さんと少しお喋り。ちょうど練
色の冠組が大分汚れて来ているので購入…?と思ったものの、やはり池ノ端で買いたくなり、また伺います、とご挨拶のみで。
そして、鈴木時代裂研究所の当代の講演をたまたま聞くことが出来、幸運を喜ぶ。最後にきねやさんで数寄屋袋を買ってしまった。

その後、銀座に移動。ウエストで一休みしながら本の最終
原稿の読み返しを。
私は音楽の好みの幅が非常に狭く、それが外で原稿を書けない理由の一つになっているのだけれど、ここはごく控えめな音量でクラッシックが流れているだけなので邪魔にならない。
懐かしい味に体も頭の中も癒されて行く…


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