MAYA from West End

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*日記は日本語のみで、翻訳はありませんが、時々全文中国語の日記も書きます。
*日記の写真はデジタルカメラと携帯のカメラで撮影したものであり、作品写真ほどのクオリティはないことをご理解下さい。「本気で写真撮る!」と思わないと良い写真が撮れない性質なのです。

*這本日記基本上用日文寫、沒有中文和英文翻譯。可是不定期以中文來寫日記。請隨性來訪。
*日記的相片都用數碼相機或手機相機來攝影的、所拍的相質稍有出入、請諒解。我一直覺得不是認真的心態絕對拍不出好的東西。
© 2011 Maya Nishihata
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BTSがやって来た 2026/10/11


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今年の夏、恥ずかしながら、そして今さらながら、BTSにはまってしまった。
一枚目の写真は、8月のある午後、自宅の和室で自撮りしたもので、好きなお菓子をかたわらに置きつつ、タブレットをガン見している。
こんな調子で夏中、はっと気がつくと1時間2時間とBTSの動画や記事を見続けていた。視力が落ちた気さえしている。
BTSのことは、これまでに何人もの知人から推薦されて来た。
マスコミ業界の女性にBTSファンは多く、こわもてで、私などいつも怒られないよう気を遣い遣い接していた編集者さんがBTSに夢中で、グッズを集めているという噂を聞いて驚愕したり、「とにかく一度You Tube見て。西端さんはきっとリーダーのRMが好きだと思う」などと強く薦めて来るヘアメイクさんもいた。
一体何がそんなに魅力的なのだろう?
その日帰宅してすぐにYouTubeを開いたのだけれど、たまたまクリックしたのがヒップホップ色の強い曲で、私はヒップホップが得意ではないため、一気に興味を失ったのだった。
  *
そんな私が彼らにはまったきっかけは、7月のワールドカップのハーフタイムショーだった。
グーグルからのお薦め記事で、マドンナが「ドリフのコントか?」と思うような短パン姿で仁王立ちしている写真が上がって来て、怖いもの見たさでYou Tubeを見に行った。
その横にBTSのハーフタームショーの動画も上がっていたので、何となく、本当に何となくクリックしたのだった。人生は何がきっかけで転換するか分からない。
その時彼らが披露していたのは、世界的な大ヒット曲「ダイナマイト」だった。流行に疎い私はそれまで聴いたことがなく、彼らはこういうポップスも歌うんだ、と、まず素朴に驚いた。
そして、曲冒頭に登場する二人のメンバーの顔面偏差値の高さに驚嘆し、その後は元気いっぱいに歌い踊る七人全員のダンスのレベルが予想外に高く、生き生きとしていて目が離せなかった。
見終わった時、「何だか私、元気になった……」と思ったのだった。
 *
それから折々、家事が終わると、書き溜めている原稿がひと段落すると、BTSのMVを見るようになった。
最初のうちは、ハーフタイムショー冒頭で圧倒された超絶美しい顔の二人のうちの、特に二番目に出て来たメンバーの顔があまりに吸引力が高く、どうやらVという名前らしいと突きとめ、V(別名テテ)を中心に見ようとするのだけれど、彼らは常に飛び回って歌っているから、すぐに見失ってしまう。
しかももう一人の超絶美男子、グクとテテが結構似ていて見間違えてしまうのだ。
七人の中には、二人、明らかに誰とも違う個性的な顔の男子が二人いて、その二人はすぐ見つけられるのだけれど、もう一組、しょうゆ顔系のメンバー二人がまたよく似ていて、こちらも判別が難しい。
更に一人、ライティングによってしょうゆ側にも超絶美男子側にも見えるメンバーが一人いて、混乱を加速させる。BTSはとにかく判別が難しいのだった。
もしかして、敢えてなぞなぞのように少しずつ似た顔のメンバーで構成して、宝探し的にはまらせる戦略なのだろうか?
だとしたら私はまんまとその戦略の餌食となり、次の動画、次の動画、と見続けたのだけれど、それは、BTSのダンスと歌唱、ラップのレベルが衝撃的に高いからこそだった。
私は一応芸にはうるさい方で、それ故、これまで国内外のアイドルグループに関心を持つことがなかった。
ただ顔がいいだけの男子がそこそこのダンスとそこそこの歌唱を披露していても、まったく心が動かない。
けれど、BTSはアイドルではない。彼らは一人一人がアーティストだった。しかし同時に彼らはやはりアイドルなのだ。
こんなに美しい男性たちが、こんなに素晴らしい芸を見せて飛び回っている、そんなことがあっていいのだろうか?
ビートの効いた曲のサビの部分で、ぱっとひときわ明るい照明が当たり、その光の中でピーターパンのように飛び回る彼らを見ていると、日常の疲れや悩みがすーっと消えていくことを感じる。私は完全にBTSの虜になっていた。
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そして……
約一カ月ほど動画を見続けているうちに、ある時から、気がつくと、特に一人のメンバーに視線が引かれていくことに気づいた。彼らは全員ダンスが上手いけれど、その人の踊りには特に個性と、風のような勢いがあるように感じられた。
そうだ、と思った。あの最初のハーフタイムショーで、最初に彼が自分のパートで登場した時、あの時から彼のダンスに、全存在に心惹かれていたんだ、と。
その人の名を書くのは……気恥ずかしいのでやめておこう。
BTSに知識をお持ちの皆様、私の推しが誰か、お分かりになるでしょうか?
今、私は、特にその人の情報を追いかけ、前述のこわもて編集者さんのようにグッズなども買ってみたりして、けれどBTS全員が箱推しで好きで、日々過去の動画を見て楽しんでいる。
何しろ14年もビハインドで参入したから、コンテンツが山のようにあって忙しいのだ。
そして、これまではとかくマイナー趣味(例えば英国ミステリドラマ)で感動を共有する相手が少ないことを寂しく思って生きて来たけれど、BTSであればたくさんの人と分かち合えそうで嬉しい。
BTS愛先輩の皆様、どうぞ初心者に様々お導きください! 表示を縮小

この夏、短歌を詠んでいた(一首短歌賞にて入選) 2026/09/21


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短歌サイト「57577」主催の第二回「57577短歌賞」にて、私の短歌が佳作に選出されたのが、今年の夏のとても嬉しい思い出。
上のスクリーンショット画像の歌がその入選歌で、こちらの本文では横書きになってしまうのが残念だけれど、下にも記しておく。

水色のペットボトル越しに見る水色の夏に口づけている

  *

短歌は、広告代理店(一社目)に勤めていた三十代の初めに、二年ほど取り組んでいた。
専門誌に作品が載ったりもしていたのだけれど、別の広告代理店に転職してとてつもなく忙しくなり、自然と作歌から離れてしまった。それでも、時々思い出したように詠んでいた。

今年の冬の終わり、雑誌の連載の仕事を辞退して時間に余裕が出来、また歌を作りたいという気持ちがぼんやりと、形のない春の初めの雲のように胸の中に生まれて来た。
いつ、どの瞬間から作り始めたのかは憶えていないけれど、たぶん六月の初め頃だったと思う。
そこから数首作り、ちょうど七月の終わりに賞があることに気づいて応募してみたところ佳作を頂けたのは、歌の神様に「まあ、少し頑張ってみたら」と応援してもらったようで素直に嬉しい。
賞の前後に作った歌も下に載せてみるので、良かったらご高覧ください。

人ゴミに君が開いた傘だけが私が帰る紫陽花の花

あの人が好きだった曲雨降りのマクドナルドで聴いている夜

ポケットの嘘を残らず使い果たし君の右目に雲の流るる

明日には遠くへ帰る君を抱き藁の仔牛に乗っていきたい

最後の歌は、八月、お盆が終わる前日に完成した。
二年前に死んでしまった猫チャミのことを思いながら詠んだのだけれど、もちろん、愛する人、愛する存在を亡くしたすべての人に、ご自分の誰かを託して読んで頂けたらと願っている。
  *
こうして並べてみると、俳句ではなく短歌なのだから、季語や季節を詠む必要はまったくないのに、季節を織り込んだ歌が多い。
どうも私の歌への欲望は季節を感じる時によく動き出すらしい、と今さらながらに気づく。
  *
それにしても、三十代の頃に詠んだ歌に我ながらすごく良いものがあり(そのうちご紹介します)、過去の自分を超えられていないな、と思う。
まだ歌へのカンが完全には戻っていないようにも思う。
自分が生来の怠け者、且つ、ハングリー精神の持ち合わせにまったく欠け、締め切りがない限りすぐ創作の集中力が切れてしまうダメ人間だということも、この年になればさすがに分かっている。もう今さらこの性向も変えられないだろう。ぼちぼちと精進していけたらと思う

九月大歌舞伎感想+和のアフタヌーンティーへ 2026/09/15


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先週は歌舞伎座へ、「秀山祭」昼の部を観劇に。
「染團辰」と呼ばれて若い世代を歌舞伎へ引き寄せている染五郎、團子、辰之助の舞踊「春調娘七種」が最初の演目。三人とも見目麗しく若さがあふれていて、華やかで、ぱっと気分が明るくなる。
先々月、あまりの下手さに絶句した染五郎は、今月はわりと踊れていた。
或る歌舞伎通の知人から聞いた話によると、彼は演目や出演日によってかなりムラがある役者なのだとか。
いや、プロなのだから、常に平均点は出してほしいけれど。
   *
そして、何しろ先々月から八年ぶりに歌舞伎観劇を再開したので、團子を見るのも八年ぶり。当時はまだ子どもだった彼が長身の美しい青年に成長して、踊りもなかなかで頼もしい。
辰之助は初めて見たけれど、どこにも難がなく、気品があって美しい。素晴らしい女形に育つ予感がする。
   *
続く歌昇、種之介兄弟の「三社祭」は、私は日本舞踊を習ったことがないから詳しいことは分からないけれど、これはきっと非常に難しい演目なのだろうなと思うものを、二人とも自在に踊りこなしていた。
特に歌昇の踊りには腰の入り方なのだろうか、独特の個性を感じる。また彼の踊りを見てみたい。
   *
そして「ひらかな盛衰記」。待ってました……菊様!
私は全歌舞伎役者中で菊五郎さんが最もひいきなのです。
今月は女形で登場。発声、演技、たたずまい(型)、すべてが正統的で何一つ欠点がなく、さらに大きな大きな華もあって。出て来ただけで舞台の空気がすっと引き締まる、こんな役者が同時代にいることを本当に幸せに思う。
幸四郎さんの樋口はまずまず。秀山祭ということで、芝居の部分ではかなり故吉右衛門丈に寄せて演じていたように思う。生き写しかと思うくだりも何度かあった。
  *
出番は少ないものの、松緑さんを見られたことも嬉しかった。
彼はやや地味な役者かも知れないけれど、踊りも台詞回しも正統的で、私はとても好き。そう言えば亡き母も推していたことを思い出す。ご子息の辰之助さんも立派に育っていることだし、松緑さんの薫陶のもと、立役で出ている辰之助さんも次は見てみたい。
そして……ジャッキー(雀右衛門さん)のあのややだみ声風の特徴ある声を八年ぶりに聞いた時、何か親戚の叔母に八年ぶりに会ったような、たまらない懐かしさを感じて微笑してしまった。ただいま、歌舞伎座。
   *
ご一緒したお友だちの美智子さんは山田流の箏奏者で、歌舞伎座に出演することもある邦楽のプロフェッショナル。歌舞伎座の演目を毎月ほぼすべて見ていて、私などとても及ばない歌舞伎通でもあり、何かと教えてもらいながらの観劇がありがたく、楽しい。
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私のきものは、むら田さんで今年あつらえた絓引き(しけびき)の小紋に、季節の桔梗模様の紗袋帯。道明の格子模様の一枚高麗の焦げ茶色で全体を引き締めて。
紗の帯揚げは、友人からのプレゼントで、紫や茶色の大ぼかしで水玉模様が染められている。上手く前に出るように結んでみた。これも引き締め役になってくれたかなと思う。
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実は、美智子さんとは、先月もパレスホテルでお茶をご一緒していた。
上の写真のように、赤木明登さんの漆器を使った、和のアフタヌーンティー。
アフタヌーンティーは玉石混交でがっかりすることもあるけれど、こちらは一品一品趣向が凝らされて大変素晴らしかった(主菓子はたねや製)。しかも2時間半と持ち時間が長いのも嬉しく、強力にお薦め……
……なのに、私たちはお喋りに夢中になり過ぎて時間が足りず、最後、早食いのようにかき込むことに。パレスホテルなのに、早食い……
まあ、親しき友との語らいが一番のご馳走なのですが。
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この日着ていたのは、蛍ぼかしを絞りで表した縦絽の小紋。たつむらの変わり菱模様の名古屋帯に、道明の冠組「藤」を合わせた。
帯周りの寄り写真を撮るのを忘れたため、置き撮り写真を(5枚目)。絞りがちょっと星のようでかわいらしく、気に入っている。
   *
もう一度2枚目写真に戻ると、この大ぼかしの水玉模様の帯揚げは、自分では決して買わないタイプの柄行きで、でも、こうして合わせてみると、意外なほど自分のコーディネイトに添っているなと思う。
あまりにも自分の好みに固執し過ぎず、時には他人の好みも取り入れてみると、新しい局面が開くのかも知れない。人生も同じか、などと思ってみたりする、夏の終わり。

新旧ノートブック  2026/09/11


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ひと月ほど前からうっすらと調子の悪かったVAIOノートがとうとう本格的に不調になり、起動して3分ほど過ぎるとすーっと電源が落ちてしまう。
まるでウルトラマンみたい、なんて笑ってはいられない。いよいよ買い替えなければならなくなった。
このウルトラマン現象が出始めたのが8月29日で、VAIO公式ページを開いてみると、31日まで特価市が開催されている。型落ちモデルが驚くほど安く、最後の最後まで、なんて親孝行な子なのだろう。かなりお得な値段で買い替えることが出来た。
  *
新旧のVAIOを並べて写真を撮ってみる。
先代がブラウンの12型で、新入りがネイビーの16型。
本当は今回もブラウンにしたかったのだけれど、16型にはラインナップがないので仕方がない。
この一年ほど老眼が進み、とにかく大きく見やすい16型が絶対だった。
モバイルには不向きだけれど、今はほとんどの場合タブレットでこと足りてしまう。ほぼ家でのみの使用と考えれば、やはり16型が最適解になる。
  *
実際に使い始めると、予想通り大画面は格段に見やすい。
先代はキーボードの反応が悪いことが欠点だったけれど(そのためわざわざBluetoothキーボードを接続して使っていた)、新型はまったく問題なくさくさく打てて万事快調。
  *
それにしても、先代は6年も使っていたのだから、ノートパソコンとしてはかなり上出来だったと思う。
ソニー製品(もうソニーじゃないけれど)はすぐ壊れるなんて定説はまったく当てはまらなかった。
特に昨年夏はもうかなりの老体だったはずなのに、本の仕事のために毎日15時間くらい稼働してくれた。本当に良い相棒だった。
  *
その先代を、ずっと手元に置いておきたい気持ちもあるけれど、そうもいかない。
ファイル類はすべてバックアップを取っているから、明日にでも処分に出せる。まあ、それでも、もうしばらくだけ別れを惜しもうと思う。
さてさて、新しい相棒とはどんな言葉を作り出せるだろうか。
PCは私のペン。
手書きで書くことも出来なくはないけれど、頭の中から言葉が出て来る速度に追いつかず、いつもいらいらしてしまう。コンピューターこそ私の最高の仕事仲間なのだ。

格子模様の小千谷縮でお昼会へ 2026/09/05


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前回、前々回に続き、今回も麻きものについての投稿を。
私は昨年、突然麻きものに覚醒して(それまでは似合わないと思って避けていた)、初学者あるあるでとにかく機会があれば、着たい!
先日は、グレー地の小千谷縮でお友だちとランチへ。
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この小千谷は昨年初めに購入したもので、しかし!昨夏は仕事が立て込んで家からまったく出られず、結局着ないまま終わってしまった。
何しろ四徹したり、一日15時間書いたりしていたので。
  *
格子模様好きのため、ネット検索で「どこかに格子の小千谷縮ないかな」と探していた時に、三重県松坂市の老舗きもの店「みなとや呉服店や」さんのホームページでこの反物に出会った。
手織りの最高級品ではなく、機械織の手頃な反物だけれど、乱れ格子の雰囲気がとても気に入っている。吉新織物製。
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帯は、前回の投稿と同じ真綿紗の八寸を。
帯締めは、道明の冠組白茶色。前回と同様練色を入れても良いのだけれど、灰色味があり、より白に近い練色より、白茶の方がわずかにカジュアル味が出る。
帯揚げは、友人がプレゼントしてくれたグレーの小千谷縮。
きもの本体よりやや紫色がかったグレーが良い引き締め役になってくれたかなと思う。

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この日出かけたのは、広尾の和食レストラン「びおら」。
料理研究家後藤加寿子さんとすみれさんが母娘で経営されている。
昨年、お二人を取材して、その時着付けを担当した奥泉智恵さん、それから、現在お二人が携わっている食育プロジェクトで写真を担当している、フォトグラファーの升谷玲子さん。後藤さん母娘とのご縁から、三人でびおらで集まることになった。
奥泉さんは幾何学模様のやはり小千谷縮、升谷さんは藍色地の竺仙の古典柄の浴衣で。
美味しく楽しいお昼会でした♡
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最後にもう一枚写真を。
お喋りに夢中で全身写真を撮らなかったため、置き撮りしてみたもの。
格子の線の雰囲気や質感が伝わるかと思う。

今年は東京は拍子抜けするほどかなり涼しく、九月に入って、麻きものはもう着納めの雰囲気。
それでも、季節の終わりにクリーニングに出す必要もなく、自分で洗えるのも麻きものの良いところ。来年まで、またね。

雪さらしの力(着用編) 2026/08/28


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昨日の投稿でご紹介した、雪さらしを経て30年振りに復活した麻きもの。
今日は、その実際の着用の様子を。
布がいかによみがえったのかを、より実感をともなって見て頂けるのではないかと思う。
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出かけた先は、これまでにも何度かご紹介した三鷹の雑貨店「かわせみや」さん。
ご家族経営のこのお店のお母様は、内田宗玉の宗名を持つ裏千家教授でいらっしゃり、毎月、テーブル茶道のワークショップを開催されている。
私は、以前はお茶をかなり熱心に学んでいたものの、子宮体がんを患い下腹部のリンパ節を摘出したことにより、ドクターストップで「正座禁止」になってしまった(注*20分ほどの短時間ならOK)。
残念ながらお茶はあきらめるしかないのだけれど、久々にその気分を味わいたくなって、こちらのワークショップに参加することにした。テーブル茶道だから、正座しなくても良いのである!
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そのワークショップでは、二人一組で茶箱点前を行い、ペアのお相手に交互にお茶を点てた。
4枚目写真の通り、内田先生のお道具組がとてもしゃれていて、もう、それだけで楽しい(6年ぶりにさばいたため袱紗がぐちゃっとしているのはお目こぼしください)。
すいかを象った主菓子は、神楽坂「梅花亭」製。皮の縞模様、種、身の赤色のグラデーションまで、超絶技巧の意匠が素晴らしかった。
ご一緒した皆さんは、まったくの初心者の方もいれば常連さんもいて、和気藹々と。久し振りにお茶の空気に触れられて幸せな時間だった(下の写真は、内田先生と)。
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そして、きものを、皆さんにとても褒めて頂けた。
「全体に茶色のシミだらけだったんですよ」
と言うと驚かれ、実は、若干、上半身の左前身頃が右より茶色味が強いのだけれど、その左右差も「まったく分からない」「どこがですか?」と首をかしげられたほど。
  
確かにこうして写真で見ても、まったく分からない。
この左右差は、おそらくたたみ方などによって左身頃の側に汗がより強く残ったために生まれたと推測しているのだけれど、真昼の太陽光のような、最高度に明るい光を・均等に当てると、やはり視認出来る。逆に言えば、そのような強い光の下に行かない限り分からない。
それでも、この対策として、現在は一般的な白の麻襦袢を着ているところを、来年までにベージュ味の強い麻襦袢を作って着用しようと思っている。
下の色が濃くなれば、左右差はほぼ完全に消せるのではないか。きもの狂の知恵である。
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合わせた帯は、渡文の手織り真綿紗八寸帯。
証紙には岸本スミエさんという織り手の名前が書かれている。岸本さんがもしもこのポストを見て下されば嬉しいのだけれど。
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帯締めは、道明の練り色の冠組。帯揚げには白の麻絽‥‥を入れているのに角度が悪く写っていなかった‥‥すみません。
  *
こうして実際に雪さらし後のきものを着用して、つくづくその力を実感した。
雪さらしに出す前は全体に布の質感がぺたっとくたびれていたのに、今ではパリッとして、色も白く明るくなっている。
単にシミを取るだけではなく、布全体がよみがえったことを感じる。
これと同じことを化学薬品で行おうとしたら、おそらくシミの部分が真っ白になり、同時に周囲の絣の色も抜けてしまうだろう。そして布全体もぱりっとするどころか、薬に負けてへたってしまう可能性が高い。
私たちは21世紀の自分たちが最も高い技術を持っていると思いがちだけれど、昔の技術の方が優れていることも多いのだと思い知らされる。しかもまったく地球を汚さないのだから!
  *
昨日のポストから、既に二人の方が手持ちの麻きものを雪さらしに出したいと具体的な質問をくださった。
やまだ織の場合、例年11月終わり頃から受け付けを開始する。新潟産のものだけではなく、沖縄系の麻でも近江の麻でも受け付けてくれるので、もしも染みがあるものの捨てられずにとって置いていた、などという麻きものをお持ちの方は、ぜひ今年、雪さらしを利用してほしい。
麻、もう少し専門的に言うと苧麻(ちょま)は、おそらく日本人が最も古くから――新石器時代から、まとって来た布。さらりと冷たく、特に温暖化の今、ぐるりと歴史を一周して最も着心地の良い布だと思う。
ああ、苧麻のことを語り出すと止まらなくなる。今、私は苧麻に恋している。

雪さらしの力 2026/08/25


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今年のはじめ、麻のきものを〝雪さらし〟に出した。
雪さらしとは、麻の布を雪原に広げて日光にさらすことで、麻きもの制作に欠かせない一工程だだ。
空気中の酸素とオゾン、日光に含まれる紫外線、そして雪が蒸発する時に発生する水蒸気。
この四つの物質が化学反応を起こし、麻布をベージュ色から澄んだ白に変える。
もちろん、昔の人は化学式など知るはずもなかったのだけれど、経験を通じてこの100%オーガニックな漂白技法に到達していた。
  *
驚くことに、雪さらしは、古い麻布もよみがえらせてくれる。
夏のきものはどうしても汗ジミがつきやすいものだけれど、数十年を経た汗ジミまで洗い流してくれるのだ。
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上の比較写真をご覧頂くと、シミがなくなっていることがお分かり頂けると思う。
実は、このきものの最後の着用は、およそ30年前ほど。そのシミが、雪にさらすだけでほぼ消えてしまうのだから、まるで魔法のようだ。
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この素敵な麻きものは、父の知人から譲られた。その方のお母様が着ていらしたという。
たとうを開けた時、「今は見ない、なんてしゃれた絣模様!」と胸がときめき、けれどすぐに点々とついた茶ジミに気づき、これはどう考えても取れないだろうとそっと閉じて箪笥にしまった。
それでもどうしてもあきらめがつかず、古代以来の麻きものの一大産地、新潟の「やまだ織」さんが一般からも雪さらしを受け付けていると聞いて、ダメもとで送ってみた。社長の保坂さんと電話でお話しすると、
「取れますよ。3回くらいさらせば大丈夫じゃないかな」
と、さらりと。そして本当に取れてしまったのだ。
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上の3枚の写真は、その雪さらし中の様子を保坂さんがお送りくださったもの。
このようにきものを一旦ほどいて13メートルの反物の形に戻し、雪にさらす。
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もちろん、ところどころ、どうしても取れない頑固なシミもある。けれどちょうど腋の中に隠れたりして、ほぼ見えない。
私がいつもお仕立てをお願いしている吉祥寺の和裁所「きぬた」の前野先生が、裏表、前後ろを繰り回して仕立ててくださったおかげもあって、堂々と外に着て行ける、しゃれた麻きものが復活したのだった。
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この2年ほど、とみに麻きものに心惹かれる。そしてこういうことがあると、ますます麻が好きになってしまう。
着用の様子は、明日、別ポストで投稿するのでぜひご覧ください。

#雪さらし #麻きもの #やまだ織
#越後上布 表示を縮小

根津美術館「やきもの名品紀行」内覧会へ 2026/08/20


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先週金曜日は青山の根津美術館へ。「やきもの名品紀行」展の内覧会に参加した。
展覧会名が何だかテレ東の旅番組のようで苦笑してしまうが、古代中国から現代の板谷波山まで、根津所蔵のお宝陶磁器がざくざく並ぶストレートに楽しい内容だった。
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個人的に最もぐっと来たのが、北宋頃までの青磁器。初期青磁の淡かったり灰色がかったりする青の色が大好きなのです(写真上左)。
上右写真の緑釉の焼き物は、漢代の貴人の墓の副葬品で、楼閣をかたどっている。
屋根には鳥がとまり、中には衛兵だろうか、人の姿も見え、二千年の時を越え、当時の生活が立ち現れて来るようでぐっと来る。

一方、中世朝鮮の人々が白磁に憧れて白い釉薬を用い、更に掻き落としの技術も駆使して作った厨子の素朴で清潔な美しさ!(写真中左)
やっぱり乾山は抜群のセンスがいいのだよなあと改めて感じ入ったり(写真中右)、大好きな相坂、そして松屋肩付の茶入にも久々に出会えたり(写真下段2枚)。
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内覧会の後は、近所のニコライ・バーグマンカフェでお茶を。食べたかったケーキがすべて売り切れで、渋々択んだキャロットケーキが意外なほど美味しかった!
お誘い頂いた高石由美さん、ありがとうございました。

新しい花器に最初の花を生ける 2026/07/30


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先日柿傳ギャラリーで求めた岩瀬健一さんの花入が届いたので、早速庭の花を生けてみた。
この灰釉手付瓶は、古代日本でも最も早期に焼き物集積地として発達した愛知猿投窯の手付瓶に範を取ったとのこと。
真っ白ではなくほのかに緑がかった色合い、均整の取れたたたずまい、そして釉薬が生み出す表情の面白さが一体となった美に心惹かれた。
まず白い花を生けられたらと思っていたので、蛍袋の時季に間に合って良かった。
これから季節ごとに、庭の草花を生けて楽しみたいと思う。

歌舞伎観劇の日のきもの 2026/07/23


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こちらのポストでは、歌舞伎観劇の日のきものやお弁当などのあれこれを。
まずは、上の写真、じゃじゃーん、この日は桟敷席を取ったのでした!
ご一緒したのは、大学時代の同級生二人。
私は上智大学の出身で、上智の中でもかなりコアで勉強も厳しい哲学科の中でも更にコア、もはや希少生物だったラテン語専攻n変わり者女子三人が、五十代となった今、揃ってきもの好きという不思議。
ヨーロッパ思想の核の核であるラテン語を学んだとて、やはり日本人は日本文化に帰るのだろうか。

青い飛び小紋を着た友人、珠子は、KADOKAWAの有名編集者で、去年は一緒に本を作った。
偶然にも地の色がほぼ同じ練り色のほたるぼかし小紋の千草は、卒業以来人事畑を歩み、何と、昨年、私がよくお仕事をしているハースト婦人画報社の人事部長に就任。ラテン語三人娘のこの分かちがたい奇縁にはただただ驚くばかり。
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さて、桟敷席と言えば、特製お弁当。
予約しておくと、写真のようなお吸い物付きの見目美しいお弁当を運んでくれる。お味も上品で申し分なく、持ち込みもいいけれど、桟敷を取った時はお弁当が良いと思う。
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私のきものは、今年の夏、単衣と色違いで「むら田」さんで作った絽の絓引き。単衣のベージュ色に対し、こちらは淡い墨色で染めてもらった。光の加減では淡いブルーにも見える、徹頭徹尾自分好みの一枚。
帯は「たつむら」の矢羽模様名古屋帯を合わせた。
昨年、青梅の「白木屋呉服店」さんで他の帯を択んでいた時に見つけ、「真矢」の「矢」の帯!しかも配色がクールビューティーで超絶好み!もうこれは買うしかない!と予算オーバーで血の涙を流しながら購入したもの。一年越しにデビューさせた。
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この日の秘密は、帯揚げ。上の寄り写真をじっと見てほしい。きものと共布なのである。
実は、白地にグレーの流水模様の使いやすい絽の帯揚げを持っていて、この日もそれを締めようと引き出しを開けると‥‥濃い茶色の染みが複数個所!最後に締めた夏(もう何年前か思い出せない)に、洗うのを忘れたまましまったのだ‥‥と蒼ざめる。
その時点で観劇の日までもう一日しかなく、新しい帯揚げを探す余裕は、ない。
若干(若干?)素材感は合わないけれど、麻の白地帯揚げにする?はたまた暑苦しいけれど極力見えないように帯に押し込んで、縮緬の淡グレー地で行く?(苦渋の選択)などと悪あがきの末、そうだ、きものの残布があるじゃない!と思いついた。
かなり長さが足りないものの、入り交結びなら何とか。かろうじて重なった部分に両面テープを仕込んで、浮かないように留めて‥‥何とか一日を乗り切った。仕立てると残布が出るちびっこならではの、綱渡りの一策。良い子は真似しないでください。
帯締めは「道明」の冠組練り色。草履は「辻屋」さんの絽の一足を。
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七月、歌舞伎座では、生け花各流派と歌舞伎との〝共演〟企画が開催されている。
二階ロビーにて、週替わりで、各流儀お家元や東京支部長など、幹部クラスの華道家が演目の世界観を花で表現している。
私が学んだ真生流の新家元、山根奈津子先生が10日まで「末広がり」を担当されるとのことで、この拝見がこの日のもう一つの目的だった。
お話の要である扇を大胆に用い、紫陽花とナナカマドで格調高く。
作品と一緒に写真も撮って大満足。
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一つ反省点は、バッグ。「ぜんや」さんのパナマの夏バッグはとても気に入っているのだけれど、この日のコーデには合わなかった気がする。白か淡グレーのバッグにするべきだった。骨の髄から東京人のため、とにかくすっきりと着たいのです。
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こうして7年ぶりの歌舞伎観劇は盛りだくさんに過ぎていった。
3年前に受けた子宮がん手術の後遺症で腸の位置が安定せず、長時間同じ姿勢で座ることが難しかったため、長く歌舞伎観劇を控えていた。
そろそろ大丈夫かな、と今回乗り出した訳だけれど、最悪、気分が悪くなってもその場で横になれる桟敷にしたことで、いっそう安心して臨むことが出来た。
つき合ってくれた珠子、千草、ありがとう。やはり歌舞伎は楽しい。きものだと更に!