西端真矢

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クロワッサン「着物の時間」モデルの前園さおりさんの着物物語を取材しました 2024/09/20



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マガジンハウス「クロワッサン」誌での連載「着物の時間」、今月はモデルの前園さおりさんを取材しました。
業界のうわさで、前園さんが本格的に着付けを学び、着付け師としても活動しているらしい‥‥と聞き、申し込んだ取材です。前園さんの素敵な着物物語をどうぞ誌面でご高覧ください。

気象病の友たちへ 2024/09/01



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私のブログを読んでくださる方の中に、何人、気象病の方が何人いらっしゃるだろうか。
ジョギング並みというふざけた速度でいやがらせのようにいつまでも日本列島周辺をうろつく台風10号のせいで、不調この上ない日々を送られているのではないだろうか。
かく言う私も長年の気象病持ちで、症状の出方は人それぞれと言うが、最接近当日よりもその二日から一日前ほどが非常に苦しい。今回も、一昨日30日から不調が続いている。
       *
私の場合、始まりは、常に左肩からだ。
何か左肩がしくしくするような、筋肉痛に似たしびれのような感覚が続き、やがてそれが右肩にも広がり、「肩に板が入っている」状態に変わっていく。
下敷き。そう、下敷きが肩から背中にかけて入っている感覚。たまらない不快感に、「何とかしてこの板を取り除けないものか!」と様々な指圧グッズを正確にピンポイントでツボにぐうっと入れていく。気象病持ちはたいていふだんから肩こりだから、気に入りの指圧グッズを持っているし、自分のツボの位置も正確に把握している。しかしどうにもならない。
そのうちに痛みがやって来る。肩の輪郭線に沿ってところどころで、じんわりと痛みが起こる。傷もないのに痛む。考えてみればなかなかに深刻な疾患ではないだろうか。

そうこうしているうちに次の段階、頭痛が始まる。
こうなるともう椅子に座っていることがどうにも、だるい。「だるい」という言葉以外に表現のしようがない。そして気がつくと横になっている。ベッドやソファに、ではない。自分の今いる場所の床にそのまま寝てしまっている。もはや人間が床に落ちている状態である。「少しだけ、少しだけ、横になろう‥‥」と考えた記憶がいつもぼんやり残っているが、ほぼ生理反応的に横になってしまうようなのだ。
      *
‥‥と、大体ここまでが通常の台風、および梅雨時の症状で(梅雨も気象病の好発期だ)、なかなか大変な疾患なのだなと思って頂けたのではないかと思うが、前回、8月16日の台風では、更に吐き気、そして左耳後ろの血管の拍動まで起こり、最高レベルに達した。こうなるともう非常な恐怖をともなう。
決して初めてのことではない。それでも、毎回、「くも膜下‥‥?」という恐怖にとらわれてしまう。だって何しろ頭の後ろの血管がずきん、ずきん、ずきんと脈打つのが自分で分かるのだ。そして断続的に吐き気が襲って来る。
「救急車呼んだ方がいいかな‥‥」と思う。でも、「いや、待って、台風が来てるんだから、きっと気象病だろう。でも今回ばかりはくも膜下だったら‥‥?」
そんな無限ループの問いを繰り返す。そして相変わらず背中には下敷きが角張り続け、肩はじんじんとしびれ続けている。
これらすべてのことがただただ気圧の変化のために起こる!我々気象病患者とは大気という神の猛りを己の肉体に受けとめるシャーマンなのかも知れない。
        *
‥‥と、今現在も東海地方という、我が家のある東京から微妙に離れた地点に低気圧に変わってもまだ台風10号がぐずぐず居座り続けているせいで、肩、そして前回拍動した左後頭部に再びしびれの感覚が強く起こり、思いのたけをぶちまけてみた。

聞けば、ヨーロッパでは、気象病は広く社会に認知され、毎日の天気予報で「気象病注意報」を放送している国さえあると言う。一方、日本ではまだまだ理解は浅いだろう。
今はなき「ためしてガッテン」のおかげで(気象病回を画面にめり込みそうになりながら見た!)、多少認知は広がったものの、それでも、特に梅雨時にぐったりしていると、「たかが雨で寝込むぐうたら者」と白い目で見られがちだ。
この悲しい状況を打開すべく今回のポストを綴ってみたが、どうかたまたま健康な三半規管に生まれついた幸運な皆さん(気象病は三半規管の不全で起こる)、気象病患者に理解を!
これは精神ではどうにもならないのだ。何しろ我々は大気という途方もなく巨大な敵と戦っている。しかも連戦連敗で深く傷ついている。湯船につかる、車酔いの薬を飲むなど対策も言われているが、少なくとも私には効果は出ていない。
それでも何とか生きている。床に落ちながら。肩に下敷きを入れながら。気休めに気圧変化アプリをじっと眺めながら。台風の通過をひたすら祈り続けている。