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「美しいキモノ」にて新連載『美の在り処』~~第一回、銀座むら田を訪ねて 2023/02/21
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昨日発売の『美しいキモノ』春号にて、新連載『西端真矢が訪ねる 美の在り処』が始まった。
日本全国に点在する、独自の美意識を持ったきもの店、きもの人を訪ね、その美意識がどこから生まれて来たのか、美と凡庸の一線はどこで引かれるのか、そんな、雲をつかむような、目に見えない美意識という何かを私自身の視点で探し当て、言葉に定着させることを試みていく。
第一回は、〝東京のきもの〟を代表する名店『銀座 むら田』の村田あき子さんを訪ねている。
実は、この連載は、よく分かっていないまま引き受けてしまった。
名店、目利きを訪ね、読み物としてまとめてほしい。そんな編集部からの依頼を、店の歴史や商品の特徴を取材すれば良いのだろう、とぼんやり解釈していたのだ。
ところが、よく打ち合わせをしてみると、歴史はほどほどでいいから、美意識、審美眼を主眼にして書いてほしいという。私は大学時代、哲学を専攻していたが、論理学や言語哲学、存在論はそこそこ出来た方だと思うが、美学は苦手だった。背中を冷や汗が流れ始めた。
それでも、第一回目はむら田さんが良いのでは?というのが編集部の総意だと聞いて、断る勇気を持てなかった。長く憧れて来た、あのあき子さんに会える!ぐいぐい前に行くことが何より苦手な私はつい暖簾をくぐることを躊躇していたむら田に堂々と出入り出来、あき子さんとじっくりと話が出来る!その誘惑が、敢えて自分を困難に飛び込ませることになった。
しかし、予想通り、原稿は難航した。記事は、
「その日、あき子さんは更紗の帯を締めていた。」
という、ごく何ともない一行で始まるが、ここにたどり着くまでに誇張ではなく180回くらい書き直し、一行目が出来てもそこから最後までを、更に180回くらい書き直している。書きながら幾度も追加の質問をさせて頂き、あき子さん、また、ご子息で銀座店を共に運営されている寛治さんには多大な多大な、そして温かいご協力を頂いた。
その評価は読まれた方の審判にゆだねるよりないが、正直で、裏表なく、もったいぶらず簡潔で潔い――良き東京人とはこのような人であり、それがこのようなきものの姿になって表れるのだ、というそんなあき子さんへの私の憧れは、ますます強いものになっている。実は、字数の関係で、断腸の思いで外したネタも多々あり、いつか再び書く機会があることも願っている。
『美しいキモノ』70周年企画の一つとして、一年間、既に次回の取材も行っているこの連載を、どうか多くの方に読んで頂けますよう。
そして、余情ただよう写真で村田の本質を写しとってくださったフォトグラファーの枦木功さん、また、これだけの字数と、思うように書いて良いという自由を与えてくださった編集部の皆様に、心からの感謝を捧げたい。