MAYA from West End

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*日記は日本語のみで、翻訳はありませんが、時々全文中国語の日記も書きます。
*日記の写真はデジタルカメラと携帯のカメラで撮影したものであり、作品写真ほどのクオリティはないことをご理解下さい。「本気で写真撮る!」と思わないと良い写真が撮れない性質なのです。

*這本日記基本上用日文寫、沒有中文和英文翻譯。可是不定期以中文來寫日記。請隨性來訪。
*日記的相片都用數碼相機或手機相機來攝影的、所拍的相質稍有出入、請諒解。我一直覺得不是認真的心態絕對拍不出好的東西。
© 2011 Maya Nishihata
All Rights Reserved.

雪と介護、母の入院 2019/02/10



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東京に今年最初の雪が降った今日、母が入院した。
もともと二つの大きな持病を抱え、それに加えてこの数年は、まだら状にゆっくりと認知症が進みつつあり、更に重度の外反母趾などの原因から歩行にも困難が多く‥と、満身創痍の母なのだけれど、先々週の持病の発作から肺の感染症にかかってしまい、今日、入院が決まった。
ちょうど介護認定を受けようとしていた矢先のことで、猫のチャミはしょんぼり寂しがっているし、もちろん、私も父も心細げな母を病室に残して帰宅する時は胸が痛んだけれど、反面、ほっとしてもいる。

これからしばらくの間、おそらく一週間か十日ほどは、夜の間の失禁の心配をしなくて良いし、仕事の取材から帰宅した後の母の夕食の段取りも考えなくて良いし、大人のおむつを山と抱えながらその他の買い物でもバッグを膨らませて道を歩かなくても良いし、仕事の原稿を中断してトイレに付き添う必要もない。
帰宅が遅くなる日に順列組み合わせ的に複雑な青や白や赤のロゴが書かれた薬を間違いなく揃えて「夕飯の後はこれを飲んでね」と言い聞かせてから出かける必要も、ない。(しかし折角間違いなく並べて出たのにきっぱり飲み忘れられている日はさすがに泣けて来る)‥‥

介護とは、つまり排泄である。
糞尿との格闘である。
人間の尊厳は足腰に多くを負っている。

‥‥ということを嫌と言うほど噛みしめさせられているこの頃、しばらくは排泄のことはきっぱり忘れて、病院に任せて良いのだ。もちろん食事も、薬のことも任せて良いのだし、何しろ面会時間が限られているのだから、その時間を外れれば私に出来ることは何もないのだ。本当にないのだ。ぐっすり眠って良いのだ‥‥

それも、まれに見るほど取材やら〆切やらビジネスディナーやら打ち合わせやらが立て込んでいて、一体この介護という難業とどうやり繰りするのか考えただけで胸がドキドキしていたここからの十日ほどの、ちょうどその期間にぴったり収まるような具合に入院が決まったのは、ごくごく淡い今日の雪と同様、天からの敢闘賞的どっきりプレゼントなのか、それともふだんあまり気が利くとは言えない母からの、珍しく最高に気の利いた贈り物なのか‥‥
帰宅して久し振りに静かに落ち着いた夜を過ごし、庭に出るともう雪はやんでいて、空気は少し暖かかった。

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クロワッサンにて、「着物の明日」を語り合う対談ページ取材を担当しました。 2019/02/04



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発売中のマガジンハウス「クロワッサン」。今号で担当したもう一つのページをご紹介します。
「お茶の時間 一つのことをゆっくり語ろう」というこの連載対談ページでは、今回、「着物の明日」をテーマに採り上げています。
帯締めの老舗「道明」の若きご当主道明葵一郎さんと、現代美術プロデューサーで着物コレクターでもあり、何より365日ほぼ毎日着物で過ごしている石鍋博子さんが語り合います。

様々な統計調査を見ても、全世代にわたって「着物を着たい」という回答は多く、決して芯から見捨てられている訳ではない、着物。しかし、それが実際の購入や着用に結びつかないのは何故なのか、現状打破には何が必要なのか、さまざまに語り合ってくださいました。
ぜひご高覧頂き、このページを下敷きに、さらに多くの方々があちこちで対話を始めてくださることを願っています。

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着物を着ることはただの贅沢か?――お年寄りや障害を持つ方でも着られる着物をデザインする、淺倉早苗さんを取材しました 2019/01/28



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発売中の「クロワッサン」、今号では二つのページを担当しました。
二日に分け、順にご紹介しますが、まず今日は、連載の「着物の時間」から。
今号では、体の障害や高齢のため、また、何らかのご病気によって身体の変形や器具装着の必要性が生じたために着物をあきらめていた方でも着用出来る着物、「ユニバーサルデザイン着物」を生み出した、デザイナーの淺倉早苗さんを取材しました。
以下の文章は、私にとって、思うことを最も表現しやすい文体である「で・ある」体で綴ります。

          *

昨年秋の園遊会に、平昌パラリンピック金メダリストの村岡桃佳さんが車椅子に振袖姿で出席した姿をご記憶の方も多いかと思う。
この着物をデザインしたのが淺倉早苗さんで、車椅子の方でも何の違和感もなく着物を着ることが出来るのだった。

淺倉さんとは、私のブログを読んでくださっていたことから交流が生まれ、長年、クロワッサンの連載でご紹介をしたいと思っていた。
現代において、着物を着ることは、ちゃらちゃらとした贅沢の世界だと思われがちだ。もちろん、或る意味でその見方は正しく、”ちゃらちゃらした高揚感”は着物に限らず、あらゆるおしゃれがもたらす一つの精神上の効果であるのだと思う。

世の中には、そのようなちゃらちゃらをくだらぬことと軽蔑する人々もいる。実は、私の父方の家はそのような思想を持つ人々で、質素を旨とし、装いに過剰な意識を持つことを精神の堕落と断じていた。
そのような家で育ちながら、しかし、私の中にあるおしゃれへの欲求はごくごく幼い頃から断ちがたく、それは、母方の家の父方とは真反対の血、ちゃらちゃらど真ん中の着道楽の血が現れたものなのかも知れない。
しかし、歴史好きの私は、世界のどこの歴史博物館へ行っても石器時代、土器時代の人々が貝や木や石を磨き削ったアクセサリーを身につけ、或いは顔や手足に染料を塗って着飾って来たことに驚かされるのだ。
そしてほとんどが土に還ってしまったため遺物を見ることが出来ないが、おそらく衣服も相当に工夫を凝らしたものを着ていたはずだ、と思う。おしゃれはごくごく原始的な、本能に近い欲求なのではないだろうか。

もちろん、おしゃれよりはずっとずっと強く生命の維持に結びついた欲求である食にそれほど興味がない人がいるように、おしゃれに興味がない人もいる。私も化粧にはさほど熱意は持てない。
しかし、多くの人にとっておしゃれが根源的な欲求である以上、それを頭から押さえつけることは人間の本性に逆らっているし、逆に言えば、おしゃれへの欲求を素直に発現出来るなら、人の精神は深い満足を感じるものとも思うのだ。

だからこそ、淺倉さんの活動を紹介したいと考えていた。
老人ホームに入居されているお年寄りも、病気やけが、障害のために着用出来る衣服の形に制限がある方も、おしゃれへの欲求を胸の奥深くに沈殿させて暮らしているはずで、ましてや着物は、私たち日本人が二千年の間身につけて来た衣服。着たいと思うのは当然ではないか。
「ユニバーサル着物」がどのような仕組みで作られ、何故すべての人が着物を着ることが出来るのか、また、淺倉さんが何故この活動を始めたのかは、ぜひ誌面からご高覧頂きたい。
そして、日本のどこかで、着物をあきらめてしまっているどなたかのもとへ、一人でも多く、この記事が届くことを願っている。


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花鳥の柄の訪問着で、遠州流お家元の初釜へ。そして事件が‥! 2019/01/22



一月はお茶を嗜む者にとって、初釜に忙しい月。先週は、遠州流お家元の点初め(遠州流さんでは初釜のことをこのように言うようです)に出席の光栄を得ました。
ご一緒させて頂いたのは、組紐の「道明」の道明三保子先生。先生が家元ご夫妻と親しくされており、私も昨年お家元の取材をさせていただご縁もあって、お声がけを頂きました。
恐らく日本で一番大きな肩衝では?と思われる大型の春慶の肩衝や、仁清の素晴らしい花入など、数々のお道具を拝見して眼福の時だったのですが、もちろん席中では写真を撮れません。玄関の前はオーケーとのことでしたので、先生とぱちり。美味しいものをたくさん頂いた後で口紅が落ちていますが、お見逃しの上、下の写真をご覧ください↓
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奇しくも先生も私も、淡い色調の装いとなりました。私の訪問着は、初釜らしく華やかにと思い、四季の花と槙の木の間を鳥が飛ぶ、楽しい柄行きの一枚を択びました。袖の写真を撮ってみましたのでご覧ください。おきもの友だちの皆様、そう、小川呉服店の一枚です♪↓
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帯周りはこのように。帯締めは、もちろん「道明」の、糸竹組です。花や蝶の丸の柄の袋帯を締めて↓
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遠州流さんの初釜では、点心のお盆と向付をおみやげに頂くことが出来ます。帰宅後、洗ってから撮ってみました↓
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向付には遠州流さんのご家紋の七宝紋が染められています。亀甲盆には「亥」の字とお家元の花押が。ご本部直属のお道具屋さんで漆を塗って頂くことも出来るとのご案内を頂きましたが、木地のままもすっきりしていて良いし‥とまだ長考中。かなりキッパリとした性格ですが、買い物は常に長考なのです。

初釜中、このお盆と向う付けで点心を頂いている時に事件が起こりました。
お料理の中に、串に刺さったお団子状のつくねがあったのですが、それを串から取ろうとした際、勢い余ってお盆から転がり出てしまったのです!
わわ!大変、お茶会にあるまじきこと、と早く取りに行きたいのですが、何しろ着物で正座をしている上に、膝前に置いたお盆を乗り越えなければいけない。手に持っていた懐紙も、上の汚れた一枚はたもとに入れて、他のきれいなものは懐に戻さなければいけないし‥ともたもたしていたら、少し離れた上座に座っていた背広姿の男性のお客様が、さっとご自分のお盆を乗り越えて、私のそのころころお団子を拾い上げ、しかもご自分の向付を素早く取って中に載せ、私の所へお持ちくださったのです。何てご親切で、そして機転の効く素晴らしい方なのだろう、こういう方こそ紳士と、そして真のお茶人と言うのだな、と心から感謝申し上げました。

昨年は、社中の初釜で「後炭」という点前を仰せつかり、このお団子事件のようにそそっかしい私が珍しく何も間違いもなく、すっすと点前をすることが出来、その余徳でしょうか、先ほど書きましたお家元の取材のように、お茶や和文化にまつわるやりがいあるお仕事に数々たずさわることが出来たのですが、初釜で一年を占うとしたら、今年は‥?
きっと、何もかも一人で行おうとせず、人様の助けを借りながら進むことを覚えよ、という教えと思い、謙虚に一年を過ごそうと思います。
‥そんな訳で、このお盆と向付は、一生忘れられない一組となりそうです。(だから木地のままにするか、漆を塗るか、迷ってしまうのです)

       *

そうそう、「道明」と言えば、年末に、美保子先生のご子息であり、第十代目当主として道明を率いていらっしゃる葵一郎さんから、素晴らしいご著書を頂きました↓
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特装版の、組紐を意匠化した透かしのカバーを撮ると、中身はこんな風に↓
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『「道明」の組紐』と題されたこの本では、主に、この十年内ほどの新作の数々を見ることが出来ます。どの組紐店よりも深く古典の研鑽を積まれながら、新しい配色、新しい意匠に挑戦することも恐れない。そしてその新作のどれもが心から素晴らしく、「どれも全部ほしくなる!」と私の周りのきもの仲間が皆悶絶しているご著書です。ぜひ皆様もお手に取ってみてください。
それでは、今年も、お茶を嗜まれる方も嗜まれない方も、それぞれの皆様の手の中に、ふくふくとお茶の香る一年でありますように。

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「婦人画報」2月号「女優のきもの」特集、山口智子さん、木村多江さん、戸田菜穂さん、吉田羊さんを取材しました。 2019/01/10



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今年最初のお仕事ご紹介です。
発売中の「婦人画報」2月号にて、「女優のきもの」特集を担当しました。
登場されたのは、山口智子さん、木村多江さん、戸田菜穂さん、吉田羊さん(誌面ご登場順)。きものから小物まで、すべて私物でのご登場です。
染織作家の工房を自ら訪ね、製法や染織史を理解した上できものを楽しむ、山口さん。
多忙なスケジュールの合間を縫い、週に一度、必ず稽古に通うほど日本舞踊に打ち込む、木村さん。
赤坂で一番の人気芸者だった小唄の師匠さんが「きものと人生の師匠」と語る、戸田さん。
江戸、明治、大正…激動の時代を生き延びて来た布の歴史、存在そのものを愛する吉田さんは、アンティークきもの好き。
四人四様、きものと女優の素敵な”友情関係”を、ぜひご高覧ください!


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新年ご挨拶(新しい染め帯写真付き) 2019/01/04



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皆様新年明けましておめでとうございます。
昨年は、お蔭様で仕事もお友だちの方々との日々のおつき合いも楽しいことばかりで、充実した一年となりました。
ただ一つ、実は昨年は母の老化がめっきりと進み、介護という新たな問題が持ち上がった年でもあったのですが‥四十代も後半となれば誰もが直面すること。日々、きれいごとばかりでは済まされない、なかなかに大変なことも起こっていますが、試行錯誤しながら何とか取り組んでいきたいと思います。
そして、この介護問題があるため、以前の私よりは疲れ気味と言うのか、若干パワーダウン気味の姿を見かけることもあるかと思いますが、どうか優しく見守ってくださいませ。

それでは皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。
写真は、祖母が染めた帯の反物を、お正月用に新しく仕立てたもの。初春にふさわしく、鶴や梅が優しい色合いで染められています♪


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クロワッサン「着物の時間」にて、作家の山内マリコさんの着物物語を取材しました。 2018/12/30



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今年最後のお仕事ご報告日記は、クロワッサンの連載を。
「着物の時間」にて、作家の山内マリコさんの着物物語を取材しました。
山内さんと言えば、閉塞感ただよう日本の地方都市の現状や、結婚に焦る女性の姿をぐさりとえぐり出す優れた作家でいらっしゃいますが、大の着物好きでもあります。
しかも上の写真のように、上野東照宮の金色の山門の前にたたずむ姿はどこか不穏な空気をかもし出して。
目指すは鈴木清順映画のような「大人の大正ロマン着物」と語ってくださった山内さんの、着物個人史と着物の好みのお話を、ぜひご高覧頂ければ幸いです!

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きものコートおあつらえ物語 2018/12/27



皆様、年の暮れをいかがお過ごしでしょうか。私は最近数か月のあまりの多忙についにダウン。この二日ほど高熱に苦しみながらも原稿を書いておりました涙。
しかし、この冬は、嬉しいクリスマスプレゼントを手にしたのです!と言っても自分でお財布をはたいたのですが‥。何年も悩みの種だった、きもの用コートのフルオーダーを決意。秋の中頃から仮縫いなどやり取りを重ねていたものが、じゃーん、ついに完成したのです!その着用写真がこちら↓
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少し横から写したもの↓
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全身を写したものがこちらになります(大風の日に着たため、髪の毛と裾が乱れているのはお見逃しを)↓
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どうです、素敵でしょう♪
そもそも私にとって常にコートが問題になっていたのは、私がチビで痩せの体形であるため。世の中にきものコートは山と売られていますが、Sサイズはなく、やむなくMサイズを着ていたこともあるのですが、肩がずれ、上半身ががばがばして、どうにもみっともない。祖母ゆずりのものや、友人のおばあ様から頂いた古いコートは昔サイズで体に合うのですが、いかんせん経年感がただよい始めていて…
もうこれは、一からフルオーダーで作るしかない!しかし、誰に頼めば良いのでしょうか。和裁の人はコート向きのウールやベロア生地は縫ったことがないだろうし、かと言って洋裁の人は、きもの独特のシェイプを把握出来ないに違いない。どういうことかと言うと、きものの場合は帯が膨らんでいるので、生地が後ろに取られてしまうなど、色々独特なことが発生することが理解出来ないだろう、と思えました。
その時、一人の友人の顔が頭に浮かんだのです!静岡在住の洋裁士、笠井理加さん。8年前に、と或るきもの関連の展覧会で出会ってFB友だちとなり、お互いのタイムラインに時々書き込みし合うような関係が続いていました。
理加さんは洋裁の学校を卒業し、フリーランスでオーダーメード仕立てのお仕事を受けています。デザインやパターン起こしから可能で、ふだんのお写真からセンスが良いことは分かっていました。しかも、きもの好きで、自分でもきものを着ている!きものの着用感覚を肌で分かっている人でなければこの仕事は無理だと思ったので、ぜひお願いしてみよう!と思い立ったのでした。
          *
早速連絡を取ってみると、静岡と東京で離れているため、立ち合いの採寸や仮縫いは出来ないけれど、前述した、祖母譲りで体にぴったり合っているコートを送ってもらえれば採寸に代用できる、との返事を頂けました。
喜び勇んで古ぼけたコートを静岡へ送りつつ、お願いしたことは三つ。


私はかつて肩こりで救急に運ばれたこともあるほどの重度の肩こり症のため、軽いコートにしたい。素材はベロアを希望。

一般に売られているきものコートはどれも衿開きのデザインで、更にショールを使わなければいけないのが、荷物が増えて面倒でたまらない。肩こり人間にとっては、ショールをかけるだけでこりが倍増するという苦しみもある。衿は詰まり気味に。

さらに「今日は特に寒い!」という日には、衿を立てて着用出来るデザインにしたい。

実は、衿を立てるタイプのコートは「七緒」さんが発売していて、一時は購入も検討したのですが(下のURL)‥
https://nanaoh.jp/?pid=101661133

いかんせん11号サイズの人まで対応というざっくりとしたサイズ感。5号と7号の中間あたりのサイズの私が着ると、がばがばしてしまうのが目に見えています。
上の三つのお願いをお話しし、プラス「七緒」さんのコートのページも見てくださった上で、理加さんは制作に着手。お送りしたおんぼろコートに借り布を当て、作ってくれたのが下の写真の試作品です。最初はトルソーでの画像確認、やがて試作品が手元に送られて来て、私が着用。その写真を送って衿周りのサイズが合っているかなど、確認してもらいました↓
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下2枚の写真で、焦げ茶の部分が古いコート、紺色が、理加さんによる足し布です。もしかしたら全長は少し短い方が良いかも?とピンで留めて試してみたりもしています。
こうして、東京―静岡、200キロの距離もものともせず、仮縫い完了。待つこと1カ月ほどの後、完成品が届いたのでした♡

    *

そうそう、或る意味このコートの一番の特徴である、衿を立てたらどうなる?という点は…↓
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これで完全に冷気をシャットアウト出来、しかも衿の存在感がうるさ過ぎるということもない。良いところに落ち着いているのがお分かり頂けるかと思います。「七緒」さんのバージョンよりも衿はやや詰まって乗り、好みの問題ですが、よりきちんと感を醸し出せているように思います。また、丈は私のもの方が長く、暖かさが増しています。
理加さんによると、ベロアというくたっとした素材を使って、きちんと衿が立つように仕立てるのがとても難しいのだとか。「久し振りに学校時代の教科書見ちゃいました」とのこと。ご苦心、ありがとうございました! 
      *

更に嬉しいおまけも。あまり布でお揃いバッグを作ってくださったのです↓
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きゃー!かわいい!荷物少な目で出かけられる日はぜひこの子を連れて行きたいと思います。右のバッグは、コートと一緒に発注していた、サブバッグ。知人のおばあ様のきものを頂いた中にあった白大島風の羽織が、焼けが出ていて着られないため、きものに合うサブバッグをお願いしていました。クルミぼたん付きでかわいいでしょう?そしてそして‥
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ベロアバッグの中をめくると、白バッグとお揃いになるのです。きゃーこういう小さな工夫が楽し過ぎる!ちょっと荷物が多めの日には、この2つのバッグを持って出かけるのも良さそうです。

…ということで、この冬の一大きものプロジェクト、大成功のうちに完了!理加さんにはめったにないタイプのお仕事で苦心だらけだったと思うのですが、本当に素敵に仕上げて下さって、お願いして良かった、としみじみ。
私と同じように、Mサイズから外れて悩んでいるおちびさん、のっぽさん、やせさん、ふっくらさん、既製品よりは多少お金が張りますが、でも莫大というほどでもないのだから、時にはオーダーメードをぜひお薦めします。やっぱりサイズが合っていることが一番です!

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「婦人画報」1月号にて、YOSHIKIさんを取材☆そして東洋占星術の奥儀を知る占術師を取材しました 2018/12/10



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発売中の「婦人画報」1月号。私は2企画を担当しています。
何と何とそのうちの一つでは、X-JAPANのYOSHIKIさんを取材☆自分でもビックリです。
そもそも「婦人画報」がYOSHIKIさんを?と驚かれる方も多いかと思いますが、今号の第一特集は、「天皇陛下と皇后陛下 寄り添いの一本道」。お代替わりを間近に控え、これまでのお二人の歩みを50ページにわたり振り返る総力特集となっているのですが、その中の一企画「私の存じあげる天皇皇后両陛下」では、実際に両陛下と親交のある方々に思い出お話をうかがっています。私は、書家の閑万希子先生、伊東香織倉敷市長、そしてYOSHIKIさんの取材を担当したのでした。

YOSHIKIさんて、どんな人なの?とみなさん興味があるかと思いますが、間近でお話しすると、やはり何とも言えない強いオーラを発している方でした。それも明るい、正のオーラ。以前、やはり取材でお会いしたことのある黒柳徹子さんから出ていたオーラと同じだなというかんじを受けました。
サングラスはかけたまま。そして、最初に「今日はよろしくお願い致します」と挨拶をすると、握手をしてくださるんです…!役得ごめんなさい!とてもあたたかな、上手く言えないのですが、深いかんじのする手でした。つねづね、手にはその人が現れるような気がしていて、やはりその感覚は間違っていないと確信した瞬間でもありました。
そんなYOSHIKIさんをはじめ、皆さんの両陛下とのエピソードをぜひ誌面にてご高覧ください。特に閑先生が知られざるエピソードを語ってくださっています!

そして今号ではもう一企画、付録の占いブックを担当しました。
実は私は占いというものに全然頼ったことがない、とても現実主義の人間なのですが、昨年、「リシェス」誌で東洋の占い全般に精通していらっしゃる半田晴詠先生を取材する機会があり、小さなコラムのその的中率がすさまじく、今年は大々的に付録占いブックとして20ページ以上にわたり詳細に来年2019年を占ってもらうことになった…という経緯があり、再び担当することとなりました。
先ほどYOSHIKIさんの手があたたかかったと書きましたが、半田先生も、会った瞬間からほわんとあたたかな空気を発していらっしゃる方です(上の写真の右下が、先生のプロフィール写真♪)。セレブも頼る、知る人ぞ知る占術家ですが、まったく威圧的ではなく、そして、本来は生年月日と誕生時刻、誕生地点から占う非常に複雑な「子平推命」を見ることの出来る日本で数少ない占師の一人でいらっしゃるのですが、雑誌で一名一名の方を細かく占う訳にもいかないことから、今回は「九星気学」の方式を用いて、大きく1年の全体傾向を見ていただくことに。ただし、一般的な「九星気学」にプラスして、「周易」の方法も用いているのがプレミアムなところで、では「九星気学」って?「周易」って?というあたりのことも概説していますので、どうぞお楽しみください。

個人的には、中国に留学したこともある私は、以前から「周易」にとても興味があり、時間があればそちら方面の本も読んで勉強してみたいな、と思っていたのですが、改めて今回興味をおぼえました。何かと問題の多いかの国ですが、伝統文化には学ぶところが大きいのは間違いのないところ。さてさて来年はどんな一年になるのか、私のように疑り深い現実主義の皆様も、ぱらぱらとでもご覧になってみてくださいませ。

そんな今号の「婦人画報」は、新年号だけあって、この占いブックの他に、普通に文具店で売っていても遜色のないおしゃれな特別付録ダイアリー、「婦人画報」厳選の温泉宿ガイドブック、お取り寄せガイドブック、更に誌面には坂本龍一さんのCDも付いているという超豪華版です。ぜひお買い求めください!

クロワッサン「着物の時間」にて、道明三保子先生の着物物語を取材しました。 2018/11/29



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「クロワッサン」の連載「着物の時間」、今月は、私がこの連載を担当するようになって以来の意中の人、道明三保子先生を取材しました。

江戸時代初期創業の組紐・帯締めの老舗「道明」の当主夫人にして、シルクロード染織史研究の第一人者でもある、道明先生。「道明」に嫁がれたことから組紐史の研究にも携わられ、また、長く教鞭を執られた文化学園大学では、附属の服飾美術館の学芸室長も兼任。国内外の染織遺品の収集にも力を注いで来られました。
そんな先生の講義を聞くことはあっても、先生ご自身のきものとの関わり合いを聞く機会を持った人は、長く教えを乞うている私も含め、それほどいなかったのではないでしょうか。
今回の取材では、そんな先生の着物個人史と、そして、まだほとんど女性の研究者がいなかった時代に道を切り開いた"自立した女性"の先達としての歩みを、深い尊敬の念をもって紐解かせて頂きました。
ぜひご高覧頂ければ幸いです。


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