MAYA from West End

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*日記は日本語のみで、翻訳はありませんが、時々全文中国語の日記も書きます。
*日記の写真はデジタルカメラと携帯のカメラで撮影したものであり、作品写真ほどのクオリティはないことをご理解下さい。「本気で写真撮る!」と思わないと良い写真が撮れない性質なのです。

*這本日記基本上用日文寫、沒有中文和英文翻譯。可是不定期以中文來寫日記。請隨性來訪。
*日記的相片都用數碼相機或手機相機來攝影的、所拍的相質稍有出入、請諒解。我一直覺得不是認真的心態絕對拍不出好的東西。
© 2011 Maya Nishihata
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「婦人画報」銀座特集にて、日本舞踊尾上流・尾上菊之丞お家元に観劇の前と後の過ごし方を取材しました。 2018/10/10



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発売中の「婦人画報」、11月号は毎年恒例の銀座特集です。今年は食のみに特化して、「おいしい銀座」で50ページの大特集。その中の「お芝居の前と後」というパートで、日本舞踊尾上流の尾上菊之丞お家元を取材しました。
銀座には歌舞伎座があり、宝塚があり、帝国劇場があり、映画館もたくさん。…が、お芝居がはねた後に流れるのにちょうど良いお店が意外に少ないように思います。
菊之丞お家元は、銀座七丁目育ち、稽古場も銀座の銀座っ子。写真では小さくて分かりにくいかもしれませんが、何とも言えずきものがお似合いです(ぜひ本誌でお確かめを)。
そして、お薦めのビストロ「アン・テリブル」は、取材時に私も少し頂きましたが(原稿を書くために味見が必要なんです!)、しっかりとした味つけがとても好みのもので、ぜひまた訪れたいと思っています。今後歌舞伎をご一緒する皆様、ぜひに♪もちろん、お芝居の日以外にも。
お店のご推薦の他に、お家元には、七丁目、木挽町通りという場所の面白さについても語って頂いています。ぜひご高覧ください。
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ふだん食の取材は担当しない私ですが、今回はお家元の取材の流れで何軒かお店取材も。
中でも上の写真、4丁目「西鉄ソラリアホテル」2階の「フルトシ」さんのフルーツサンド、そのクリームの味は絶品でした。甘いものに滅法うるさい私が言うのですから、絶対保証付き。皆様お試しあれ!
他にも「ディナー級の贅沢ランチ」「銀座シェフが教える銀座の隠れた名店」「銀座の手土産2018」など、保存版のを「おいしい銀座」特集、書店で、電子書籍でお求めください。


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映画「日日是好日」プレミアム試写パーティーへ(新しく購入の礼装帯締めきものコーデ付き) 2018/10/05



黒木華さん主演、たぶん現代ものの映画では初めてお茶を主題にした映画「日日是好日」が、来週10月13日より公開されます。先駆けて昨日は明治記念館にてプレミアム試写パーティーが開かれ、プロデューサーの観世あすか様よりお招きいただき参加いたしました。
          *
映画の中で黒木さん演じる主人公のお茶の先生役を演じられたのは、樹木希林さん。
残念ながら帰らぬ人となってしまわれましたが、最後までとても楽しみにされていたのが昨日の試写会だったそうです。
と言うのも、この試写会は、ドレスコードがきもの。200名の参加者全員がきもので集合するという圧巻の会場となりました。希林さんはきものを深く深く愛されていたそうで、お茶と同様、次の世代へと必ず日本人が伝え続けていかなければいけないものだと語っていたとのこと。ただの試写会ではなく、「きもので、お茶の映画を観る」ということを重視されていたからこそ、楽しみにされていたのでしょう。きっと昨日は会場のどこかでにっこりと見守ってくれていたものと思います。
写真が、挨拶をされる観世あすかさん。主催者にふさわしい、葵文様の堂々たる色留袖をお召しです。↓
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観世さんは希林さんのお茶の点前を指導するなど、「日日是好日」プロジェクト全体にアドバイザーとして参加されたとのこと。映画中で希林さんが着用したきもののほとんどは観世さんと観世さんのお母様のものだということで、それがため息ものに素敵なのです。映画鑑賞の折にはぜひ衣裳にもご注目ください。
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↑会場中央の舞台には、座ってお茶を点てるための立礼卓が。お茶に詳しい方ならお分かりになりますね。七宝の文様は、そう、遠州流の立礼卓です。この日は遠州流の小堀宗実お家元のお点前を拝見することも出来ました。
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長年きものを着ていると知らず知らずのうちにおきもの友だちが増えていきますが、昨日も会場で、
何人もの顔見知りに遭遇しました。そのうちの四名のお友だちとパチリ↓
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小紋、色無地、訪問着、とさまざまに。私は、牡丹唐草地紋に、淡さくら色から紫まで裾ぼかしになった訪問着…なのですが、写真ではちょうどぼかしが始まるひざ下あたりが写らず色無地のように見えています。ぼかしの具合の写真は、またの機会に。
そしてそして‥昨日のコーディネイトのポイントは、新しくお迎えした帯締めです↓
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「道明」の亀甲組!面積は何分の一かでありながら帯と等しく拮抗する、まさに画竜点睛。高貴な存在感に「帯締めの王道」と惚れ惚れしてしまいます。私が偉いのではなく、帯締め様が偉い!清水の舞台から飛び降りて購入しましたが、これで一生礼装の帯締めは安心と思えば、対価に見合った買い物だと思います。本当に。
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↑そんな高貴な帯締めを次から次へと繰り出す「道明」の奥様、道明三保子先生と、昨日はご一緒していました。先生の帯締めは三井寺組。こちらも本当に素敵でまたまたまたほしくなってしまいますが‥そのためにはそう、一生懸命働かなければ‥
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↑そしてこちらは、試写会のお土産の上生菓子。我が街、吉祥寺の名菓子舗で、さまざまなお流儀のお茶会御用をつとめる「亀屋萬年堂」製。お抹茶色の餡と、薯蕷饅頭には「日日是好日」の焼き印。観世プロデューサーのセンスが光る、さすがの素敵なお土産です。

…と書いてブログを公開したところ、友人から「右のお菓子は、お茶を点てた時に出来る三日月の形を表しているのでは?」との指摘が。
確かに、その通り。つまり私のお菓子の置き方が間違っておりまして、本当は右側に濃く細長い三日月形が来るように置くべきだったのです。全く気づけなかった自分のカンの悪さにがっかりしながら、ますます観世プロデューサーの創意に感嘆した次第。皆様、どうか右側のお菓子(たぶんこなし製)は、細長い三日月が右側に来るのだ、白い縁がお茶碗を表しているのだ、つまりぐるっと時計回りに半回転のイメージでご覧下さいませ。
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さて、映画「日日是好日」は、たまたま何となくお茶を始めた二十歳の女子大生が、大人の女性へと成長していく物語。その傍らにいつもお茶があります。簡単には分からないけれど、むしろ、簡単に分からなくていい。長い時間をかけて、しかも自分の身体感覚を通して分かっていくものがあることのありがたさ。それはまさに日本文化の真髄だと思うのですが、そんなお茶のある暮らしを描いた映画「日日是好日」を、ぜひ皆様もご覧ください。

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三重県「椿大神社」へ、奉納舞いを拝見に(きものコーデ付き) 2018/09/30



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雨降りばかりで何だか気の滅入る毎日の中、奇跡のように一日だけ晴れていた一昨日28日、日帰りで三重県へ。鈴鹿市にある椿大神社へ奉納舞いを拝見に伺った。
伊勢国一宮である椿大神社は、紀元前3年創建つまりは記紀の時代に由来を持つ古いお社で、猿田彦神、そして芸能の神様である天鈿女をお祀りしている。その本殿で、この日、日本舞踊「吾妻流」宗家、二代目吾妻徳穂先生が奉納舞いをされることとなり、東京や大阪からのお客様とともにうかがった。
     *
この奉納舞いは、一般社団法人「緑麗学舎(りょくれいがくしゃ)」が企画したもの。実は、今年の春に創立されたばかりのこの真新しい法人に、文章執筆やコンテンツ企画の分野で参加している(常勤ではなく、外部スタッフとして参加)。
国に提出した設立目的に、日本伝統文化の推進を掲げる緑麗学舎。今回の奉納舞いを第一回目のプロジェクトとして動き出した。今後、染織(きもの)、日本舞踊、茶の湯を中心として、様々な企画を運営・実行していく予定なので、ぜひお心に留めて頂きたいと思う。
大きな企画として、4年後、2022年の実施予定で、出版と展覧会が連動したプロジェクトがもう動き出している。もちろんその他にも、舞踊公演や文化講座など、中規模、小規模のプロジェクトを行っていく予定なので、いつもブログを読みに来て下さっている皆様には、ご興味を持って頂けた企画にはぜひご参加頂けたらと思う。大いにご期待ください!
     *
それにしても椿大神社は大らかな素晴らしい場所だった。山一つを大きな大きなお社として、樹齢4百年、5百年の木々が参道の両側に鬱蒼とそびえている。中には1200年の命を保つ木もあるというのだから、平安時代から、一体どれだけの人の世の変遷を見て来たのだろう!
不思議なことに、今日のブログでトップに置いた参道の写真が、縦長モードで撮ろうとしていなかったのに、何故か超縦長で写っている。これも由緒ある神社の神意というものだろうか?
その本堂で、吾妻先生は、『五障――女人の情念を舞いに託して』と題し、女性の情念と執着の苦しみ、そこからの浄化を主題とした新作を踊られた。笛と箏の音の合間には風の音や滝の音が聞こえ、先生の舞いは狂おしく、やがて清々しく、自然に抱かれた中で舞踊を拝見するのも実に良いものだなと感じた。
今回のプロジェクトでは、私は、本堂いっぱいにお越しくださったお客様にお配りした演目解説のパンフレット文を制作し、中には大変熱心にお読みくださっているお客様もいらして、その姿をこっそり拝見出来たのも嬉しい一瞬だった。
奇跡のような晴天と言い、まだ歩き出したばかりの新法人「緑麗学舎」の門出の一日をこうして文句のつけようのないほど順調に過ごすことが出来た。今後もたくさんの奇跡を起こせるよう、誠心誠意取り組んでいきたいと思う。
    *

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最後に、おきもの愛好家の皆様に、この日のコーディネイトを。
きものは、淡玉子色地の裾ぼかし単衣付下げに、帯は紗の袋帯。菊と藤模様で、春単衣の時期は藤を、秋単衣の頃には、今回のように菊模様の部分を前帯にして締めている。帯締めは道明の糸竹組み。後ろに写っている立派なお社がまだ本堂ではないのだから、椿大神社の大きさがお分かり頂けると思う。

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「美しいキモノ」にて、衣裳デザイナー黒澤和子さん、女優の高梨臨さんを取材しました~~幕末、大河ドラマ「西郷どん」の時代のきもの特集 2018/09/25



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またまた渾身のお仕事のご報告です。
発売中の「美しいキモノ」秋号にて、衣裳デザイナーの黒澤和子さん、女優の高梨臨さんのインタビュー、そして学習院女子大学の福島雅子先生にもご寄稿頂き、大河ドラマ「西郷どん」の時代、幕末のきものの魅力を探る特集を担当しました。

黒澤和子さんのことは、映画好きの方はよくご存知かも知れません。名匠黒澤明監督のご長女であり、監督の右腕として、後期の名作『夢』『まあだだよ』などの衣裳を担当。その後も北野武監督をはじめ数々の名監督とタッグを組み、時代劇から現代ものまで、数多くの作品の衣裳を担当していらっしゃいます。
そんな黒澤さんが、今年の大河ドラマ「西郷どん」の衣裳を担当。正直に告白すれば、なかなかにおっかない方なのではないか、とかなり緊張して取材に臨んだのですが、大変気さくにお話を頂きました。

何しろ目が回るほどお忙しい中を折角インタビューを受けて下さったのですから、ありきたりのことをうかがっても面白くありません。単に「西郷どん」この一本のことだけにとどまらず、衣裳デザインとはどのような仕事なのか、歴史ものを担当する場合、史実と見映え、また、衣裳の理想と予算との兼ね合いをどのように解決しているのか?‥などなかなかに突っ込んだことをお聞きしています。

そして、そんな様々な制約の中で、では、今回の「西郷どん」の衣裳一枚一枚はどのような意図で制作されたのか?注意して見ないと分からないけれど、分かると面白い、黒澤さんが衣裳のところどころに埋め込んだ隠し味の部分までお聞きしていますので、ぜひご高覧頂けたらと思います。
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今回のこの「西郷どんのきもの」特集では、他に、品川宿の遊女から徳川慶喜の側室となる幕末のシンデレラガール・ふきを演じる高梨臨さんのインタビュー、また、江戸時代服飾史の第一人者である福島雅子先生に、幕末の“大奥きもの”について解説もお願いしています。
盛りだくさんの内容で、多角的に西郷隆盛の時代のきものを探る特集を、ぜひご一読ください!


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新しい草履と帯締めで歌舞伎座へ。新作「幽玄」のことも 2018/09/23



少しだけ仕事に余裕のあるこの頃、先週は友人と秀山祭の歌舞伎座夜の部へ。先日このブログでご紹介した、浅草「辻屋本店」さんで購入の新しいお草履を初おろし。雨模様と分かっていたけれど、どうしても歌舞伎座でおろしたかったのです!
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全体とのコーディネイトとの調和は上↑の写真で。思った通り、細身でなかなか良いバランスではないかしらと悦に入っている。
同行のお友だちは、山田流箏奏者の長田悠貴能さん。何だかお揃いのきもののように見えるけれど、これは写真のマジックで、彼女のきものは、本当は私より一段濃く臙脂に寄った色合いの、万筋江戸小紋。私の方は、少し紫がかったピンク地に蛍ぼかし模様の小紋。似た色に写るのは、私たちが仲良しだからに違いない♪
そう言えば、まるで私たち二人で歌舞伎座貸し切り!のように写っているけれど、もちろんそんなことはなく、実際は幕間にがやがやとしている1階ホールで撮ったもの。歌舞伎座の係員さんが奇跡の一瞬をとらえてくださった。
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↑帯は、祖母から伝わった唐花模様の博多織。帯締めは、取材をきっかけに親しくさせて頂いている“南極料理人”こと渡貫淳子さんのお母様が手組されたものを頂いたもの!一見冠組に見えて「東雲組」という珍しい組み方。そして、一見白の無地に見えて、ブルーと赤の筋が入っているという凝っ一本で、このように筋が入るところが「東雲組」の特徴なのだろう。
渡貫さんは、最近、南極基地で振る舞っていたという“悪魔のおにぎり”のレシピがSNSやテレビで話題になり、ご存知の方も多いはず。近々私が彼女を取材した記事も出るので、ぜひご期待ください。
      *
この日の歌舞伎座夜の部は、大阪まで襲名公演も観に行ったのにどうしてもまだ染五郎さん、と思ってしまう新幸四郎さんの「操三番叟」、吉右衛門丈の「俊寛」、そして玉三郎丈の新作舞踊「幽玄」の三幕。
「俊寛」は、ちょうど今「平家物語」で俊寛たち一団の計略が清盛に露見して捕えられ、散々な目に遭うところを読んでいるので(ちなみに原書で読書中)、個人的に何ともタイムリー。中でも貴公子な登場人物が藤原成経で、今回その成経演じている菊之助さんが、まさに私が本を読みながらぼんやりと描いていた成経のイメージそのものでぐっと来る。ああ、そんな成経が田舎の海女なんかと‥!と感情移入してしまった。

「幽玄」は、玉三郎丈と太鼓パフォーマンス集団「鼓童」の共演で、「羽衣」「石橋」「道成寺」という、能をオリジナルに持つ日本舞踊三作を更に現代にアレンジして連続上演する。恐らく賛否両論分かれるだろうほどに、いわゆる“ぶっ飛んだ”演出で、私は踊りという芸術にはさして詳しくないけれど、西洋のミュージカルや恐らくヒップホップの要素も演出に組み込み、三匹の獅子が踊り狂うくだりはまるでジャニーズやエグザイルのショーのようにも見え‥けれど骨格のストーリーはもちろん五百年、六百年にわたって日本人が繰り返し語って来た大古典であり、それをここまで激しく、そしてエロチックな空気をただよわせて演出する玉三郎という人の大胆さに心から感動させられた。
年齢はそろそろ七十代に近く、人間国宝でもあり、格調高く守りの世界に入っていれば揺るぎない評価の中にいられるところを、ここまで振り切ってしまう。「幽玄」というタイトルをつけているけれど、これこそは「傾奇」=「歌舞伎」だった。たとえば一幕目で幸四郎さんがやった「操三番叟」だって、本来は神事で舞う「三番叟」を人形が踊ったらこうなる、とアレンジした言ってみればふざけた演目で、恐らく狂言師の方が初めて見た時は顔をしかめたであろうはずのもの。歌舞伎とは本来そういうアートであるはずなのだから、玉三郎丈こそは正しく歌舞伎の精神を生きている人なのだ、と思った。
長老の域に入りつつある役者がこんなことをやってのけてしまうのだから、おそらく下の世代へ与えた刺激や衝撃ははかり知れないはずで、歌舞伎にはまた新しいエネルギーが蓄えられていくに違いない。

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ジュンク堂書店吉祥寺店と私 2018/09/18



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ありがとう、ジュンク堂書店吉祥寺店。
また今日も閉店10分前に飛び込み、急に必要になった資料を祈る思いで探すと、行儀良くその背表紙は本棚に並んでいるのだった。
小さくて店主の趣味のこもった書店の存在が重要なことは言うまでもないけれど、私のような仕事には巨大書店が自分の町にあることの価値は計り知れない。
さて、いそいそと新しい本のページをめくり、長い夜は続いていくのである。

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新しい渋谷 2018/09/14



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今日、仕事で渋谷に行くと、10年前、この街に住んでいた頃、恵比寿方面へ行く時にてくてく歩道橋を上ったり下りたりしなければならず難儀していた交差点のその向こう側に渋谷ストリームという名の新しい“街”が出現していて驚く。

試しに少し歩いてみると、かつて川があったところにはちゃんと川が流れていて、そう言えば、その川にかかっていた細い橋を渡ったすぐのところにいかがわしい本やビデオを売っている小さな店があって、散歩の途中、普通の本屋さんと勘違いして入ってしまい、私も困惑したけれど店の中にいた男性陣はもっと困惑していた、という思い出の店はもちろん跡形もなくおしゃれ広場に変わっていて、バンドが演奏したりしている。
そして交差点の上空には新しい空中回廊がかかり、今はまだ工事中の渋谷駅といずれはつながるよう設計されているのだろう。
そう言えば、かつてタルコフスキーが首都高赤坂見附付近の未来都市ぶりに目を見張って「惑星ソラリス」の冒頭で延々長回しをしていたけれど、それ以上にソラリス化した風景が今の渋谷には広がっているのだった。

そんなおしゃれ広場にこれでもかと並ぶおしゃれカフェの中でも一番混んでいるハンバーガー店では、フルーツとヨーグルト、100パーセントまがいものなしで作るというスムージーが売っていて心惹かれテイクアウトしてみると、プラスチックではなく紙ストローがついて来る。
そう言えば、子どもの頃、田舎に旅行した時だったかやはり紙ストローが出て来たことがあって、そう、こんな風な舌触りだった、と更に古い記憶がよみがえって来るのだけれど、紙ストローはプラスチックの要領で吸うとすぐにへなへなとしおれてしまい、900円もするスムージーがなかなか上がって来てくれない。そうか、これからの世界では、この紙ストローのやさしい吸い方を会得しなければならないのかと思い知らされ、やはり渋谷は何もかも新しい街なのだった。

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「婦人画報」茶の湯特集にて、遠州流小堀宗実お家元と武者小路千家千宗屋若宗匠の対談企画を担当しました。 2018/09/07



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この夏、渾身のお仕事のご紹介をしたい。
発売中の「婦人画報」10月号で、遠州流茶道の小堀宗実お家元と、武者小路千家の千宗屋若宗匠(家元後嗣)のお二人が流儀のしがらみを超え、松平不昧の茶、そしてその茶を通して見えて来る「自由な茶とは何か」について語り合う、「諸流みな我が流」8ページの取材・構成・執筆を担当した。

今号の「婦人画報」は、実に50ページにわたる茶の湯の大特集。巻頭第一特集を茶の湯で送るのは、10年ぶりのことだという。
総合タイトルは「みんなのお茶」という何やら楽しそうな題名で、茶を始めたばかりの小学生茶人から、茶歴50年、60年の大ベテランまで。お家元からモダン茶人、家で茶を楽しむ主婦茶人まで。気鋭の茶陶作家、菓子職人も‥と、百人の茶の湯を愛する人々それぞれの茶のありようを切り取っている。1ページ1ページ、ページを繰るうちに、それぞれの人がそれぞれの風でお茶を楽しんでいるのだな、‥そう感じられる構成となっている。
    *
そんな中で、もちろん、茶というものは宇宙の物理法則でも何でもないのだから、“絶対に正しい茶の湯のあり方”などが存在する訳もなく、それぞれの人がそれぞれのやり方で茶を楽しめば良いのだ、という、ごく当たり前のことに思いが至る。
それと同時に、一方で、茶には侘茶が創造された桃山時代から数えれば約450年、それ以前の書院の茶や禅寺の茶を含めれば800年以上の歴史が横たわっている訳で、その豊穣なアーカイブを無視して“今だけの茶”を行うことは、大変にもったいないし、つまらないことなのではないか、という、これも常々個人的に考え続けていることが改めて脳裏に浮かび上がっても来る
…と、そう考えながらも、また、400年、800年、それぞれの時代に書かれた茶書や茶会記を一文一文綿密に読み込み、それぞれの時代ごとに最高峰と尊ばれた茶道具に実際に触れる機会を持てる人となれば、もちろん、ごく限られた数となってしまうことも事実だ。
そのよに考えた時、今回私がお話を伺った小堀お家元と千若宗匠は、たまたま茶をする家に生まれられてそのアクセス権を有することになった幸運な人だ、と言うことも出来るのではないかと思う。
けれどその一方で、茶というものが内包している深い精神性ときわめて独特な美意識を考え合わせれば、その道に生まれついてしまったということは非常に険しい道行きを運命づけられたとも言えるのであって、その中にあって、お二人は、天与のアクセス権を最高度に生かし切ってたゆみない研鑽を積まれ、言ってみれば、365日、茶のことばかりを考えておられるお二人なのであって、その言葉には、こちらが虚心坦懐に耳を澄ませば聞こえて来る深い含蓄が含まれていると思う。

編集部から今回の大役を仰せつかり、自らの力不足に悩みながらも、お二人が不昧公を偲んで開かれた茶会と対談の場に立ち会い、その“含蓄”を拾い上げようと最大限の力を尽くした。力を尽くし過ぎて入稿した後二日ばかり廃人なってしまったほどだ。そのくらい、やはり、茶は深く、面白い。
さらっと読み通せば読み通せるけれど、あちこちにその“アクセス権利者の含蓄”を散りばめた8ページをぜひ注意深く読み込んで頂き、茶の湯という、複雑怪奇な営みへの思考に新たな一層を加えて頂ければ幸いである。

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グローバルキャリアが着物を着る時ーークロワッサン誌「着物の時間」にて、東谷彰子さんを取材しました。 2018/09/04



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「クロワッサン」の連載「着物の時間」にて、「Timeout Tokyo 」ディレクターの東谷彰子さんを取材した。
「Timeout  Tokyo 」は、インバウンド旅行者に向け、日本の情報を英語で伝える複合メディア。
編集部スタッフも多国籍で、長である東谷さん自身も帰国子女のバイリンガル。海外出張も多い、まさにグローバルキャリアの彼女が、着物にはまっているというのだ。
そのきっかけは?着物の何が彼女を惹きつけたのか?
…そんなあれこれを取材したので、ぜひご高覧頂ければ幸いです。


新しく草履を誂えて、そして「履物の好み」について考える(きものコーデ付き) 2018/08/29



先週、草履を新調した。
きもののおしゃれの中で、どうしても履物は後回しにされがちだが、実は着姿の方向を決める大きな要素ではないかと感じている。今日はそんな履物の好みについて、少し考えてみたい。
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何はともあれ、まずは、今回新調した草履について。
今回は、ふだんの外出からちょっといいところでの食事、くらいまでのシチュエーションで履くための、いわゆる“ふだん履き”と呼ばれる草履を新調した。きものの格で言えば、小紋やカジュアル過ぎない紬から、付下げ、しゃれ訪問着まで。お店は、浅草の「辻屋本店」さんで。
じゃーん、お店にて、箱から出て来たところが下の写真だ。鼻緒にかけられた、「江戸風はきもの處 辻屋本店」の店名入りの美しい上紙を取ると‥‥
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今回は、白地の台に同じ白地の革鼻緒で誂えた。前坪の色は、臙脂色。前坪は台や鼻緒と同色がいいという方もいるだろうし、色の前坪にする場合、特に白台×白鼻緒の純白の世界にぽつっと一つ、赤の前坪を入れる方が多いと思うが、私にはどうも赤は強過ぎるように感じられてしまう。それで、臙脂色。このあたりが、まず一つ、好みが大きく出て来るところだろう。
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台は、細型が好みだ。そして、低い台が好き。
一番好きなのが4センチ~4.5センチの台で、3センチくらいでもいい。高いよりは低い台の方がずっと好ましい。一般に、礼装の履物は5センチ以上が良いとされているが、私はそのぎりぎりの5センチで作っている。とにかく高い草履は履きたくないのだ。
もう、これは、完全に好みの世界だと思う。
高い台が好き!高い台じゃなきゃイヤ!低い台は何か貧乏くさい!という方もとても多いし、むしろ今は“高台派(笑)”の方が若干優勢のようにも感じるが、私には、どうも高い台はにぎにぎし過ぎるように思えてしまう。また、子どもっぽいようにも感じる。台にあまりたくさんの段が重なっているのも好みではない。もちろん、すべて、個人的な感覚だ。
           
そんな訳で、今回も“低台派”の私は4センチの台でお願いした。要するに、このくらいの高さが、一番すっきりとしてイキに感じられるのだ。ふだん用なので、段も入れず、一巻きで更にすっきりと。うん、気分が良い。
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次に問題になるのは、台の色だろう。実はもう二足ふだん履きを持っていて、一つは濃いめの銀鼠色の台、もう一つは淡い桜色にしている。
桜色の一足は、甘い色みのきものに合わせる時用に。銀鼠色は、黒や藍色系のきものや、江戸小紋などきりっとしたきものに合わせる用に。今回新調した白の台はほぼ万能選手だけれど、私はきりっと系は銀鼠くんに任せることが多いので、甘い色系統からベージュ系統ほか、その他諸々の色、また、総柄小紋などに持って来るようにしている。
下の写真は、当日お店で、女将の里枝さんと撮ったもの。ついでに帯周り写真も載せつつ、足もとに注目!
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…と書いておきながら、実は足元が写っていない。先代の白台ちゃんがあまりにもぼろぼろで今回の草履を新調したため、この日は銀鼠くんを履いて来た。私的には、淡いベージュ色のきもの×淡い紫の帯、の今日のコーディネイトには、銀鼠くんは合わない!だから写したくない!そのため、見切れているのであります。そう、履物ときものにはしっかりと相性というものがあるはずなのだ。
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ところで、もう一つ、草履には鼻緒という大切な要素があるが、もちろん忘れている訳ではない。
これまでに鼻緒もあれこれ試してみたが、今では革鼻緒が一番、と思うようになった。ベージュの台×白鼻緒など、台と鼻緒の色が違うのも良いし、今回のように同色も良い。とにかく革鼻緒が好ましく感じられる。前坪の素材も、本天(ビロード)ではなく革製が好みだ。
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結局私は、とにかく足元をすっきりとさせたいのだと思う。ビロードや帯地を使用したもの、印伝製など、鼻緒にもたくさんの種類があるが、革製以外のものは中に綿を詰めて作っているため、ふっくらとする,、その形状が、どうもボリュームがあり過ぎるように感じてしまうのだ。
もしも私の好みと真反対に草履を作るとすれば、「小判型の台(=やや横幅がある台)に、帯地の鼻緒」の一足が出来上がると思うが、その姿が目に浮かんで来る。ちょっとぽってりとした女らしさをたたえた様子は、もちろんそれはそれで一つの確固とした世界観だし、そういう草履を履きたいという人がよくいるのもとてもよく理解出来る。
でも、私は、とにかくすっきり型がいい。それはもしかしたら私が小柄のやせ体型だということとも関係があるのかも知れないが、とにかく、細台に、革鼻緒。そして高さは4センチほどで。ふだん履きなら前坪だけにぽつっと色を入れるのが、シンプル過ぎなくて良い。シンプル過ぎるスタイルというのも、貧相と言うのか、それはそれで野暮に思えるのだ。
…と、こうして改めて我が身、いや、我が足もとを見つめてみると、思った以上に好みが色濃く表れて来るものだと思う。さて、あなたはどんな足もとで歩いているだろうか?


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